「アカシジア」の版間の差分

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 薬原性アカシジアの発症頻度は、服用している薬剤の種類・用量・投与期間や対象となる患者集団などによって異なり、ドパミン遮断薬服用中の患者の20-75%<ref name=American2021>'''American Psychiatric Association (2021).'''<br>Practice guideline for the treatment of patients with schizophrenia. Third edition. American Psychiatric Publishing, Washington DC. [https://doi.org/10.1176/appi.books.9780890424841 {DOI}]</ref>45), 抗精神病薬を服用中の患者の5-50% <ref name=Zareifopoulos2021><pubmed>34337722</pubmed></ref>38)、[[定型抗精神病薬]]服用中の患者の20-40%<ref name=稲田2017></ref><ref name=稲田2019></ref>15, 16)、[[第2世代抗精神病薬]]を服用中の患者の2.9-13.0% <ref name=Chow2020><pubmed>32342999</pubmed></ref>48)、10-30%<ref name=American2021></ref>25)にみられると報告されているが、用量依存性に発現頻度が高くなるため、大量投与時には誰にでも起こり得る危険性のある副作用である。
 薬原性アカシジアの発症頻度は、服用している薬剤の種類・用量・投与期間や対象となる患者集団などによって異なり、ドパミン遮断薬服用中の患者の20-75%<ref name=American2021>'''American Psychiatric Association (2021).'''<br>Practice guideline for the treatment of patients with schizophrenia. Third edition. American Psychiatric Publishing, Washington DC. [https://doi.org/10.1176/appi.books.9780890424841 {DOI}]</ref>45), 抗精神病薬を服用中の患者の5-50% <ref name=Zareifopoulos2021><pubmed>34337722</pubmed></ref>38)、[[定型抗精神病薬]]服用中の患者の20-40%<ref name=稲田2017></ref><ref name=稲田2019></ref>15, 16)、[[第2世代抗精神病薬]]を服用中の患者の2.9-13.0% <ref name=Chow2020><pubmed>32342999</pubmed></ref>48)、10-30%<ref name=American2021></ref>25)にみられると報告されているが、用量依存性に発現頻度が高くなるため、大量投与時には誰にでも起こり得る危険性のある副作用である。


 近年は[[統合失調症]]の薬物療法においては錐体外路症状の発現率が低い[[非定型抗精神病薬]]の投与が主流となっているが、これらの薬剤は、中枢ドパミン神経系のレベルが低いとされる気分障害圏の患者に対しても適応拡大されて広く使用されるようになり、発症頻度はそれほど低下していないと指摘されている<ref name=Miller2008><pubmed>18827289</pubmed></ref>6)。また、患者が副作用ではなく精神症状と取り違える場合もあり、過小診断を危惧する報告もみられる<ref name=Hirose2003><pubmed>14609248</pubmed></ref>5)。わが国での長期試験における非定型抗精神病薬によるアカシジアの発症率は、[[リスペリドン]]が22.9%、[[ペロスピロン]]が40%、[[クエチアピン]]が5.2%、[[オランザピン]]が17.6%、[[ブレクスピプラゾール]]が7.8%である<ref name=堀口2010></ref>3)。[[アリピプラゾール]]は対象疾患によって用量の違いもあり、統合失調症患者で11.7%、[[双極性気分障害]][[躁病]]エピソード患者で30.2%、[[うつ病]]患者で28.1%と添付文書に記されており、[[気分障害群]]の疾患での発現頻度は高くなっている。[[小胞モノアミントランスポーター2]]([[VMAT2]])阻害剤での添付文書に記載のアカシジアの発症頻度は、[[バルベナジン]]が6.8%、[[テトラベナジン]]が20.0%(米国で実施された非盲検非対照長期投与試験)である。
 近年は[[統合失調症]]の薬物療法においては錐体外路症状の発現率が低い[[非定型抗精神病薬]]の投与が主流となっているが、これらの薬剤は、中枢ドパミン神経系のレベルが低いとされる気分障害圏の患者に対しても適応拡大されて広く使用されるようになり、発症頻度はそれほど低下していないと指摘されている<ref name=Miller2008><pubmed>18827289</pubmed></ref>6)。また、患者が副作用ではなく精神症状と取り違える場合もあり、過小診断を危惧する報告もみられる<ref name=Hirose2003><pubmed>14609248</pubmed></ref>5)。わが国での長期試験における非定型抗精神病薬によるアカシジアの発症率は、[[リスペリドン]]が22.9%、[[ペロスピロン]]が40%、[[クエチアピン]]が5.2%、[[オランザピン]]が17.6%、[[ブレクスピプラゾール]]が7.8%である<ref name=堀口2010></ref>3)。[[アリピプラゾール]]は対象疾患によって用量の違いもあり、統合失調症患者で11.7%、[[双極性気分障害]][[躁病]]エピソード患者で30.2%、[[うつ病]]患者で28.1%と添付文書に記されており、[[気分障害]]群の疾患での発現頻度は高くなっている。[[小胞モノアミントランスポーター2]]([[VMAT2]])阻害剤での添付文書に記載のアカシジアの発症頻度は、[[バルベナジン]]が6.8%、[[テトラベナジン]]が20.0%(米国で実施された非盲検非対照長期投与試験)である。


== 病態生理 ==
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