「カルシウム」の版間の差分

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== メカニズム  ==
== メカニズム  ==


[[細胞膜]]および[[小胞体]]膜上に存在する各種のCa<sup>2+</sup>[[ポンプ]]により、細胞質のCa<sup>2+</sup>濃度は静止時には数十nM (10<sup>-8</sup>~10<sup>-7</sup> M)程度に保たれる。これは細胞外Ca<sup>2+</sup>濃度(~10<sup>-3</sup> M)の一万分の一以下という非常に低い濃度であり、他の生体内無機イオンではこれほど大きな細胞内外の濃度差は見られない。以下に示すCa<sup>2+</sup>チャネルを経て細胞質にCa<sup>2+</sup>が供給されることによりCa<sup>2+</sup>濃度が上昇し、[[カルシウム結合蛋白質]]を介して様々な細胞内シグナルが活性化される。
[[細胞膜]]および[[小胞体]]膜上に存在する各種のCa<sup>2+</sup>[[ポンプ]]により、細胞質のCa<sup>2+</sup>濃度は静止時には数十nM (10<sup>-8</sup>~10<sup>-7</sup> M)程度に保たれる。これは細胞外Ca<sup>2+</sup>濃度(~10<sup>-3</sup> M)の一万分の一以下という非常に低い濃度であり、他の生体内無機イオンではこれほど大きな細胞内外の濃度差は見られない。以下に示すCa<sup>2+</sup>チャネルを経て細胞質にCa<sup>2+</sup>が供給されることによりCa<sup>2+</sup>濃度が上昇し、カルシウム結合蛋白質を介して様々な細胞内シグナルが活性化される。


細胞内Ca<sup>2+</sup>シグナルの特筆すべき性質は、その局所性である。例えば単一の[[樹状突起スパイン]]に限局したCa<sup>2+</sup>濃度上昇が惹起され、これにより入力特異的なシナプス可塑性等の制御が実現されている。この局所性はCa<sup>2+</sup>チャネルの限局やスパインの構造のみならず、Ca<sup>2+</sup>ポンプによる速やかな除去や、高濃度のカルシウム結合蛋白質によるCa<sup>2+</sup>拡散の阻害、等が重要な寄与を果たしている。  
細胞内Ca<sup>2+</sup>シグナルの特筆すべき性質は、その局所性である。例えば単一の[[樹状突起スパイン]]に限局したCa<sup>2+</sup>濃度上昇が惹起され、これにより入力特異的なシナプス可塑性等の制御が実現されている。この局所性はCa<sup>2+</sup>チャネルの限局やスパインの構造のみならず、Ca<sup>2+</sup>ポンプによる速やかな除去や、高濃度のカルシウム結合蛋白質によるCa<sup>2+</sup>拡散の阻害、等が重要な寄与を果たしている。  
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