「キネシン」の版間の差分

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== 代表的なKIFsとその機能  ==
== 代表的なKIFsとその機能  ==


==== KIF1AとKIF1B  ====
==== KIF1AとKIF1B  ====]
 
 KIF1AとKIF1BはKinesin-3ファミリーに属し、KIF1BにはmRNAスプライシングにより、KIF1BαとKIF1Bβというアイソフォームがある。KIF1AとKIF1Bβは、[[シナプトフィジン]]、[[シナプトタグミン]]、[[Rab3A]]といったシナプス小胞蛋白を含むシナプス小胞前駆体を輸送する<ref name="ref5"><pubmed>7539720</pubmed></ref>。最近、Rab3との特異的な結合には、[[アダプター蛋白質]]としてDENN/MADDが[[wikipedia:ja:GTP|GTP]]依存的に働いていることが示された<ref name="ref6"><pubmed>18849981</pubmed></ref>。Kif1a及びKif1bホモ欠損マウスは共に、重篤な神経障害により生後すぐに死亡し、また、[[神経細胞死]]が認められる<ref name="ref7"><pubmed>9548721</pubmed></ref><ref name="ref8"><pubmed>11389829</pubmed></ref>。一方、Kif1a及びKif1bヘテロ欠損マウスはどちらも生存するが、Kif1aヘテロ欠損マウスでは刺激の豊かな生育環境による脳の形態的、機能的変化が障害されており<ref name="ref9"><pubmed>22365548</pubmed></ref>、一方、Kif1bヘテロ欠損マウスでは、生後1年頃より進行性の筋力低下と運動失調を認め、[[Charcot-Marie-Tooth病]]2A型(CMT type2A)の原因遺伝子の一つと考えられている<ref name="ref8"><pubmed>11389829</pubmed></ref>。また、KIF1Bαはミトコンドリアの輸送に関与している<ref name="ref10"><pubmed>7528108</pubmed></ref>。
 KIF1AとKIF1BはKinesin-3ファミリーに属し、KIF1BにはmRNAスプライシングにより、KIF1BαとKIF1Bβというアイソフォームがある。KIF1AとKIF1Bβは、synaptophysin、synaptotagmin、Rab3Aといったシナプス小胞蛋白を含むシナプス小胞前駆体を輸送する<ref name="ref5"><pubmed>7539720</pubmed></ref>。最近、Rab3との特異的な結合には、アダプター蛋白としてDENN/MADDがGTP依存的に働いていることが示された<ref name="ref6"><pubmed>18849981</pubmed></ref>。Kif1a及びKif1bホモ欠損マウスは共に、重篤な神経障害により生後すぐに死亡し、また、神経細胞死が認められる<ref name="ref7"><pubmed>9548721</pubmed></ref><ref name="ref8"><pubmed>11389829</pubmed></ref>。一方、Kif1a及びKif1bヘテロ欠損マウスはどちらも生存するが、Kif1aヘテロ欠損マウスでは刺激の豊かな生育環境による脳の形態的、機能的変化が障害されており<ref name="ref9"><pubmed>22365548</pubmed></ref>、一方、Kif1bヘテロ欠損マウスでは、生後1年頃より進行性の筋力低下と運動失調を認め、Charcot-Marie-Tooth病2A型(CMT type2A)の原因遺伝子の一つと考えられている<ref name="ref8"><pubmed>11389829</pubmed></ref>。また、KIF1Bαはミトコンドリアの輸送に関与している<ref name="ref10"><pubmed>7528108</pubmed></ref>。  


==== KIF2  ====
==== KIF2  ====