「グリア細胞」の版間の差分

編集の要約なし
35行目: 35行目:


===ヒト脳における分布量===
===ヒト脳における分布量===
  ヒトの大脳皮質においてはニューロンの1.4倍ほど分布していると推定されている。これはラットやマウスの5倍に及ぶとされている<ref><pubmed>14522144</pubmed></ref>。しかし、高次機能におけるアストロサイトの重要性を主張するにはあまりインパクトのない分布量の差である。しかし、この数よりも上述のようなアストロサイトの大きさや空間的広がりに注目すべきべきであろう。ラットのアストロサイトより27倍も大きな空間を占め、200万個以上のシナプスを被うアストロサイトが5倍も存在するという事実は脳機能の進化との関連性を強く示唆すると考えることに異論はないだろう。アインシュタイン(Albert Einstein)の脳ではニューロンに対するアストロサイトの量が多かったという報告もあり<ref><pubmed>3979509</pubmed></ref>、アストロサイトが単なる支持細胞としてだけではなく、脳の機能の高度化にも関わっている可能性も考えられるようになっている。
  ヒトの大脳皮質においてはニューロンの1.4倍ほど分布していると推定されている。これはラットやマウスの5倍に及ぶとされている<ref><pubmed>14522144</pubmed></ref>。しかし、高次機能におけるアストロサイトの重要性を主張するにはあまりインパクトのない分布量の差である。しかし、この数よりも上述のようなヒトのアストロサイトがラットのそれより27倍も大きな空間を占めるという点に注目すべきであろう。ヒトでは一個のアストロサイトが200万個以上のシナプスを被い、それがラットの5倍も存在するのだから、脳機能の進化との関連性を強く示唆すると考えることに異論はないだろう。アインシュタイン(Albert Einstein)の脳ではニューロンに対するアストロサイトの量が多かったという報告もある<ref><pubmed>3979509</pubmed></ref>。もちろん、同年齢の健康なヒトの脳のデータとの比較であるが、有意差を求めることは難しい。しかし、アストロサイトが単なる支持細胞としてだけではなく、脳の機能の高度化にも関わっている可能性を支持する証拠の一つとして挙げたくなる気持ちはわかる。
 


==アストロサイトの機能==
==アストロサイトの機能==
34

回編集