「グリア細胞」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
73行目: 73行目:


====エネルギー供給機構====
====エネルギー供給機構====
ニューロンにとって唯一のエネルギー源はグルコース(glucose)である。そのグルコースは上述のグルコーストランスポーター(glucose transporter )を使って、ニューロンにエネルギー源としてのグルコースを供給されている。実は、アストロサイトは取り込んだグルコースを乳酸(lactate)まで代謝してから、モノカルボン酸トランスポーター(mono-carboxylic acid transporter :MCT) を介してニューロンに供給しているのだ<ref><pubmed>15953344</pubmed></ref>(図5)。
ニューロンにとって唯一のエネルギー源はグルコース(glucose)である。そのグルコースは上述のグルコーストランスポーター(glucose transporter )を使って、ニューロンに供給されている。実は、アストロサイトは取り込んだグルコースを乳酸(lactate)まで代謝してから、モノカルボン酸トランスポーター(mono-carboxylic acid transporter :MCT) を介してニューロンに供給しているのだ<ref><pubmed>15953344</pubmed></ref>(図5)。
 さらに重要なことは、細動脈周辺のアストロサイトの細胞内カルシウム濃度が高まると、細動脈の直径が広がり、血流量が高まるという事実である<ref><pubmed>3638986</pubmed></ref>。これはニューロン活動により遊離されたグルタミン酸が周辺のアストロサイトの活性化を介して血流量を増やし、エネルギーを必要とする部位へより多くのグルコースを供給できることを意味する。この事実から考えると、現在、脳活動の画像化に利用されている機能性核磁気共鳴イメージング(functional magnetic resonance imaging: fMRI)はアストロサイトの機能を間接的に見ているものではないかと思われる。
 さらに重要なことは、ニューロン活動により遊離されたグルタミン酸により細動脈周辺のアストロサイトの細胞内カルシウム濃度が高まると、細動脈の直径が広がり、血流量が高まるという事実である<ref><pubmed>3638986</pubmed></ref>。周辺のアストロサイトの活性化を介して血流量を増やし、エネルギーを必要とする部位へより多くのグルコースを供給できることを意味する。この事実から考えると、現在、脳活動の画像化に利用されている機能性核磁気共鳴イメージング(functional magnetic resonance imaging: fMRI)はアストロサイトの機能を間接的に見ているものではないかと思われる。


====神経伝達物質受容体の発現====
====神経伝達物質受容体の発現====
34

回編集