「グルタミン酸」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
204行目: 204行目:


===自閉症===
===自閉症===
 [[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]解析の結果より、[[自閉症]]関連遺伝子が同定された。それの中に[[Shank]]、[[ニューロリギン]]、[[ニューレキシン]]といった、グルタミン酸性シナプスの構成要素が見いだされている<ref><pubmed>22503632</pubmed></ref><ref><pubmed>20531469</pubmed></ref><ref><pubmed>17173049</pubmed></ref><ref><pubmed>18923512</pubmed></ref>。Shankはシナプス後部で[[Homer]]と共に[[シナプス後膜肥厚]]のframeworkを形成する。ニューロリギンは、[[GKAP]]と[[PSD-95]]を介し、Shankと結合し、一方、[[シナプス前部]]のニューレキシンと結合する(図4)。また、モデル動物においても、社会性の異常などが認められ、それは薬理学的なグルタミン酸伝達の増強によって是正される。この事は、中枢神経系におけるグルタミン酸性シナプス伝達の異常が[[自閉症]]を引き起こしている事を示唆する。ただし、これはごく一部の患者でしか認められず、自閉症全体を説明するものではない事に注意を要する。
 [[wikipedia:ja:ゲノム|ゲノム]]解析の結果より、[[自閉症]]関連遺伝子が同定された。それの中に[[Shank]]、[[ニューロリギン]]、[[ニューレキシン]]といった、グルタミン酸性シナプスの構成要素が見いだされている<ref><pubmed>22503632</pubmed></ref><ref><pubmed>20531469</pubmed></ref><ref><pubmed>17173049</pubmed></ref><ref><pubmed>18923512</pubmed></ref>。Shankはシナプス後部で[[Homer]]と共に[[シナプス後膜肥厚]]のframeworkを形成する。ニューロリギンは、[[GKAP]]と[[PSD-95]]を介し、Shankと結合し、一方、[[シナプス前部]]のニューレキシンと結合する(図4)。また、[[モデル動物]]においても、社会性の異常などが認められ、それは薬理学的なグルタミン酸伝達の増強によって是正される。この事は、中枢神経系におけるグルタミン酸性シナプス伝達の異常が[[自閉症]]を引き起こしている事を示唆する。ただし、これはごく一部の患者でしか認められず、自閉症全体を説明するものではない事に注意を要する。


===統合失調症===
===統合失調症===