「ケージド試薬」の版間の差分

編集の要約なし
5行目: 5行目:
== 特徴  ==
== 特徴  ==


 励起波長は主にUV領域であり350 nm付近の励起光を用いることが多い。ケージド試薬に使われる生理活性分子としては、[[神経伝達物質]]、[[ヌクレオチド]](IP<sub>3</sub>, [[ATP]], [[cAMP]], [[cGMP]])、[[wikipedia:ja:DNA|DNA]], [[wikipedia:ja:mRNA|mRNA]]、[[カルシウム]]、[[wikipedia:ja:ペプチド|ペプチド]]、[[wikipedia:ja:タンパク質|タンパク質]]などがある。ケージドカルシウム以外では生理活性分子と保護基は共有結合しており、光照射によって、この共有結合が解離する。代表的な光分解性保護基としては、[[wikipedia:ja:o-ニトロベンジル基|o-ニトロベンジル基]]、[[wikipedia:ja:2-(o-ニトロフェニル)エチル基|2-(o-ニトロフェニル)エチル基]](NPE)、[[wikipedia:ja:(クマリン-4-イル)メチル基|(クマリン-4-イル)メチル基]](Bhc)、[[wikipedia:ja:7-ニトロインドリニル基|7-ニトロインドリニル基]]が存在する(図、表)<ref name="ref1"><pubmed> 17664946 </pubmed></ref><ref name="ref2"><pubmed> 22184890 </pubmed></ref>。ケージド試薬の[[wikipedia:ja:モル吸光係数|モル吸光係数]]と[[wikipedia:ja:量子効率|量子効率]]を掛け合わせた値が高いほど光励起されやすく、100 M<sup>-1</sup>cm<sup>-1</sup>以上が目安となる<ref name="ref2" />。<br>光照射によって瞬時に生理活性を上昇させることが可能であるため、生理活性上昇からの細胞・分子応答を高い時間解像度で計測できることに利点がある。従って神経科学の分野では、反応速度が速い神経伝達物質[[受容体]]反応の誘発や、細胞内カルシウム濃度上昇に広く用いられている。また光照射部位を対物レンズによって局在させることが可能であるため局所的に一過的に活性を上げることができる。  
 励起波長は主にUV領域であり350 nm付近の励起光を用いることが多い。ケージド試薬に使われる生理活性分子としては、[[神経伝達物質]]、[[ヌクレオチド]]([[ATP]], [[cAMP]], [[cGMP]])、[[イノシトール3リン酸|IP<sub>3</sub>]], [[wikipedia:ja:DNA|DNA]], [[wikipedia:ja:mRNA|mRNA]]、[[カルシウム]]、[[wikipedia:ja:ペプチド|ペプチド]]、[[wikipedia:ja:タンパク質|タンパク質]]などがある。ケージドカルシウム以外では生理活性分子と保護基は共有結合しており、光照射によって、この共有結合が解離する。代表的な光分解性保護基としては、[[wikipedia:ja:o-ニトロベンジル基|o-ニトロベンジル基]]、[[wikipedia:ja:2-(o-ニトロフェニル)エチル基|2-(o-ニトロフェニル)エチル基]](NPE)、[[wikipedia:ja:(クマリン-4-イル)メチル基|(クマリン-4-イル)メチル基]](Bhc)、[[wikipedia:ja:7-ニトロインドリニル基|7-ニトロインドリニル基]]が存在する(図、表)<ref name="ref1"><pubmed> 17664946 </pubmed></ref><ref name="ref2"><pubmed> 22184890 </pubmed></ref>。ケージド試薬の[[wikipedia:ja:モル吸光係数|モル吸光係数]]と[[wikipedia:ja:量子効率|量子効率]]を掛け合わせた値が高いほど光励起されやすく、100 M<sup>-1</sup>cm<sup>-1</sup>以上が目安となる<ref name="ref2" />。<br>光照射によって瞬時に生理活性を上昇させることが可能であるため、生理活性上昇からの細胞・分子応答を高い時間解像度で計測できることに利点がある。従って神経科学の分野では、反応速度が速い神経伝達物質[[受容体]]反応の誘発や、細胞内カルシウム濃度上昇に広く用いられている。また光照射部位を対物レンズによって局在させることが可能であるため局所的に一過的に活性を上げることができる。