「ゲート」の版間の差分

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===イオンチャネルゲートの開口===
===イオンチャネルゲートの開口===
[[Image:KcsA&MthK.jpg|400px|thumb|right|図2 KcsAチャネル(閉状態; PDB:1BL8)とMthKチャネル(開状態; PDB:1LNQ)の構造。2つのサブユニットのみ表示している。]] 電位センサー自体はあくまでゲートの開閉を制御しているものであり、実際に開閉するゲートはポアドメインのS6セグメントに存在していると考えられている。原核生物の2回膜貫通型カリウムチャネルKcsAの結晶構造は閉状態だと考えられている。S6セグメントに相当するM2へリックスは細胞内側で束ねられており、”ゲート”は閉じている<ref><pubmed>9525859</pubmed></ref> (図2左)。一方原核生物由来のカルシウム活性化カリウムチャネルMthKの構造は開状態であると考えられている。MthKではM2へリックスが大きく開いており、ゲートを担うへリックス(S6またはM2)がダイナミックに動くことで開閉することを示唆している<ref><pubmed>12037560</pubmed></ref>(図2右)。さらにKcsAチャネル蛋白一分子に付加した金結晶のX線回折像の解析により、M2へリックスがダイナミックに動く様子がリアルタイムで捉えられている<ref><pubmed>18191221</pubmed></ref>。哺乳類の電位依存性カリウムチャネルとしてはKv1.2チャネルの構造が明らかになっているが、これは開状態であると考えられる<ref><pubmed>16002579</pubmed></ref><ref><pubmed>16002581</pubmed></ref>。閉状態の結晶構造は未だ得られていないが、電位センサーの動きがS4-S5リンカーを介してS6セグメントに伝わり、”ゲート”であるS6セグメントがやはりダイナミックに開閉すると考えられている<ref><pubmed>17920020</pubmed></ref>。
[[Image:KcsA&MthK.jpg|400px|thumb|right|図2 KcsAチャネル(閉状態; PDB:1BL8)とMthKチャネル(開状態; PDB:1LNQ)の構造。2つのサブユニットのみ表示している。]] 電位センサー自体はあくまでゲートの開閉を制御しているものであり、実際に開閉するゲートはポアドメインのS6セグメントに存在していると考えられている。原核生物の2回膜貫通型カリウムチャネルKcsAの結晶構造は閉状態だと考えられている。S6セグメントに相当するM2へリックスは細胞内側で束ねられており、”ゲート”は閉じている<ref><pubmed>9525859</pubmed></ref> (図2左)。一方原核生物由来のカルシウム活性化カリウムチャネルMthKの構造は開状態であると考えられている。MthKではM2へリックスが大きく開いており、ゲートを担うへリックス(S6またはM2)がダイナミックに動くことで開閉することを示唆している<ref><pubmed>12037560</pubmed></ref>(図2右)。さらにKcsAチャネル蛋白一分子に付加した金結晶のX線回折像の解析により、M2へリックスがダイナミックに動く様子がリアルタイムで捉えられている<ref><pubmed>18191221</pubmed></ref>。哺乳類の電位依存性カリウムチャネルとしてはKv1.2チャネルの構造が明らかになっているが、これは開状態であると考えられる<ref><pubmed>16002579</pubmed></ref><ref name=ref2><pubmed>16002581</pubmed></ref>。閉状態の結晶構造は未だ得られていないが、電位センサーの動きがS4-S5リンカーを介してS6セグメントに伝わり、”ゲート”であるS6セグメントがやはりダイナミックに開閉すると考えられている<ref name=ref2 /><ref><pubmed>17920020</pubmed></ref>。


===その他の電位依存性チャネルのゲート===
===その他の電位依存性チャネルのゲート===