「サイクリックAMP応答配列結合タンパク質」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
37行目: 37行目:
 神経系においては発生初期の[[神経板]]においてすでにCREBの発現が認められる。成熟した脳においては[[大脳]]、[[小脳]]、[[間脳]]、[[中脳]]などのほぼすべての脳領域でCREBの発現がみられる。また、これら脳領域において神経細胞および[[グリア細胞]]([[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]])ともにCREBを恒常的に発現している。なお、CREBを活性化させる主要なシグナル経路は細胞種によって異なり、このため細胞種あるいは領域特異的なCREBの多様な機能が実現されていると考えられている<ref name=Lonze2002><pubmed>12194863</pubmed></ref>。
 神経系においては発生初期の[[神経板]]においてすでにCREBの発現が認められる。成熟した脳においては[[大脳]]、[[小脳]]、[[間脳]]、[[中脳]]などのほぼすべての脳領域でCREBの発現がみられる。また、これら脳領域において神経細胞および[[グリア細胞]]([[アストロサイト]]、[[オリゴデンドロサイト]])ともにCREBを恒常的に発現している。なお、CREBを活性化させる主要なシグナル経路は細胞種によって異なり、このため細胞種あるいは領域特異的なCREBの多様な機能が実現されていると考えられている<ref name=Lonze2002><pubmed>12194863</pubmed></ref>。


=== CREBの細胞内分布 ===
=== 細胞内分布 ===
 恒常的に転写されているCREB mRNAは細胞体にて翻訳された後、合成されたCREBタンパク質は速やかに核に移行し、その後は核内に存在する。核内においてCREBは2量体を形成しDNAに結合した状態にあると考えられている。このため[[NF-κB]]や[[エストロゲン受容体]]など他の転写因子にみられるような細胞質-核移行による活性化様式ではなく、リン酸化などのタンパク質[[翻訳後修飾]]がCREBによる転写活性化を制御する主な機構となっている(次項参照)。
 恒常的に転写されているCREB mRNAは細胞体にて翻訳された後、合成されたCREBタンパク質は速やかに核に移行し、その後は核内に存在する。核内においてCREBは2量体を形成しDNAに結合した状態にあると考えられている。このため[[NF-κB]]や[[エストロゲン受容体]]など他の転写因子にみられるような細胞質-核移行による活性化様式ではなく、リン酸化などのタンパク質[[翻訳後修飾]]がCREBによる転写活性化を制御する主な機構となっている(次項参照)。