「サイクリックAMP応答配列結合タンパク質」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/hiroyukiokuno 奥野 浩行]</font><br>
''京都大学''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年12月25日 原稿完成日:2012年月日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/Bito 尾藤 晴彦](東京大学 大学院医学系研究科 神経生化学分野)<br>
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英語名: cyclic AMP-dependent factor  
英語名: cyclic AMP-dependent factor  


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== 要旨 ==
== 要旨 ==


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 サイクリックAMP(cAMP)は細胞内の主要なセカンドメッセンジャーの一つである。このcAMPによって活性が直接または間接的に制御されている蛋白質は総称としてサイクリックAMP依存因子と呼ぶことができる。cAMPの濃度に直接制御される因子としてもっとも代表的なものにcAMP依存的蛋白質キナーゼ(=プロテインキナーゼA, PKA)が挙げられる。PKAのリン酸化基質は多様であるが、なかでもcAMP応答配列CREに結合する転写因子CREB(cAMP-responsive element binding protein)はアメフラシ、ショウジョウバエ、マウス等の発生系統的に異なる様々な系で長期シナプス可塑性や記憶・学習などの脳機能に重要な因子であることが示されている。神経細胞においてはCREBをリン酸化する酵素はPKAに限定されないが、他の細胞種においてはPKAによる制御が主流であることが多く、CREBも間接的なサイクリックAMP依存因子に含めることができる。
 サイクリックAMP(cAMP)は細胞内の主要なセカンドメッセンジャーの一つである。このcAMPによって活性が直接または間接的に制御されている蛋白質は総称としてサイクリックAMP依存因子と呼ぶことができる。cAMPの濃度に直接制御される因子としてもっとも代表的なものにcAMP依存的蛋白質キナーゼ(=プロテインキナーゼA, PKA)が挙げられる。PKAのリン酸化基質は多様であるが、なかでもcAMP応答配列CREに結合する転写因子CREB(cAMP-responsive element binding protein)はアメフラシ、ショウジョウバエ、マウス等の発生系統的に異なる様々な系で長期シナプス可塑性や記憶・学習などの脳機能に重要な因子であることが示されている。神経細胞においてはCREBをリン酸化する酵素はPKAに限定されないが、他の細胞種においてはPKAによる制御が主流であることが多く、CREBも間接的なサイクリックAMP依存因子に含めることができる。
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== イントロダクション ==
== イントロダクション ==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
<references />
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(執筆者:奥野浩行 担当編集委員:尾藤晴彦)