「デルタ型グルタミン酸受容体」の版間の差分

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 ヒトにおいてもGRID2に変異を持つ家系が相次いで報告され、患者は著しい小脳萎縮と運動失調、[[眼球運動]]障害を示すほか、[[知能]]や[[言語]]の障害も見られた<ref name=Hills2013><pubmed>24078737</pubmed></ref><ref name=Utine2013><pubmed>23611888</pubmed></ref><ref name=VanSchil2015><pubmed>25122145</pubmed></ref><ref name=Coutelier2015><pubmed>25841024</pubmed></ref> 。こうした高次の脳機能の障害が、GluD2欠損による小脳の非運動性機能の障害に起因するのか、小脳以外に発現しているGluD2の機能を反映した異常なのかは明らかではない。またヒトゲノムの解析からは、GRID1及びGRID2の[[一塩基多型]]や[[コピー数多型]]と[[統合失調症]]、[[双極性障害]]、[[自閉症スペクトラム障害]]などとの関連性が報告されている<ref name=Yuzaki2017><pubmed>28110935</pubmed></ref> 。
 ヒトにおいてもGRID2に変異を持つ家系が相次いで報告され、患者は著しい小脳萎縮と運動失調、[[眼球運動]]障害を示すほか、[[知能]]や[[言語]]の障害も見られた<ref name=Hills2013><pubmed>24078737</pubmed></ref><ref name=Utine2013><pubmed>23611888</pubmed></ref><ref name=VanSchil2015><pubmed>25122145</pubmed></ref><ref name=Coutelier2015><pubmed>25841024</pubmed></ref> 。こうした高次の脳機能の障害が、GluD2欠損による小脳の非運動性機能の障害に起因するのか、小脳以外に発現しているGluD2の機能を反映した異常なのかは明らかではない。またヒトゲノムの解析からは、GRID1及びGRID2の[[一塩基多型]]や[[コピー数多型]]と[[統合失調症]]、[[双極性障害]]、[[自閉症スペクトラム障害]]などとの関連性が報告されている<ref name=Yuzaki2017><pubmed>28110935</pubmed></ref> 。


図1.GluD2の機能領域の模式図。
[[ファイル:Yuzaki Fig 1.png|サムネイル|'''図1.GluD2の機能領域の模式図''']]


図2.GluD2のC末端領域を介した、長期抑圧(LTD)の制御機構。
[[ファイル:Yuzaki Fig 2.png|サムネイル|'''図2.GluD2のC末端領域を介した、長期抑圧(LTD)の制御機構''']]


図3.両方向性のシナプス・オーガナイザーとして機能する、ニューレキシン-Cbln1-GluD2複合体の模式図。
[[ファイル:Yuzaki Fig 3.png|サムネイル|'''図3.両方向性のシナプス・オーガナイザーとして機能する、ニューレキシン-Cbln1-GluD2複合体の模式図''']]


==参考文献==
==参考文献==
<References />
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