「トゥレット障害」の版間の差分

編集の要約なし
(ページの作成:「英語名:Tourette’s disorder  トゥレット障害は、詳細な症例報告をしたフランス人医師の名にちなんでジル・ド・ラ・トゥレッ...」)
 
編集の要約なし
81行目: 81行目:
===認知行動療法===
===認知行動療法===


 チックが“半随意”であり前駆衝動を伴うとの認識が高まるにつれて、行動理論モデルを利用した治療法が行われるようになってきた<ref>'''松田なつみ, 金生由紀子'''<br>トゥレット症候群の支援と治療<br>''最新精神医学'' 2013, 18(1): 39-47. </ref>。中心となるのがハビットリバーサル(habit reversal)であり、前駆衝動への意識を高めるトレーニングとチックに対する拮抗反応の形成からなる。チックが悪化しやすい状況の分析に基づく対応の工夫やリラクセーションをハビットリバーサルに組み合わせる包括的な行動介入方法(Comprehensive Behavioral Intervention of Tic Disorders: CBIT)の有効性が示されている。
 チックが“半随意”であり前駆衝動を伴うとの認識が高まるにつれて、行動理論モデルを利用した治療法が行われるようになってきた<ref>'''松田なつみ、金生由紀子'''<br>トゥレット症候群の支援と治療<br>''最新精神医学'' 2013, 18(1): 39-47. </ref>。中心となるのがハビットリバーサル(habit reversal)であり、前駆衝動への意識を高めるトレーニングとチックに対する拮抗反応の形成からなる。チックが悪化しやすい状況の分析に基づく対応の工夫やリラクセーションをハビットリバーサルに組み合わせる包括的な行動介入方法(Comprehensive Behavioral Intervention of Tic Disorders: CBIT)の有効性が示されている。


 ハビットリバーサルは、チックに気づくことによってコントロールしやすくなることを目指すが、チックを気にしすぎてかえって悪化しないように配慮を要する。チックをすべてなくそうとしないことを確認しつつ、最も改善したいチックを定めて、よりましな随意的な行動や良いイメージに置き換えることを促す。
 ハビットリバーサルは、チックに気づくことによってコントロールしやすくなることを目指すが、チックを気にしすぎてかえって悪化しないように配慮を要する。チックをすべてなくそうとしないことを確認しつつ、最も改善したいチックを定めて、よりましな随意的な行動や良いイメージに置き換えることを促す。