「ドレブリン」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/7000016212 小金澤 紀子]、[http://researchmap.jp/read0058514 白尾 智明]</font><br>
<font size="+1">[https://researchmap.jp/7016212_nor 小金澤 紀子]、[http://researchmap.jp/read0058514 白尾 智明]</font><br>
''群馬大学大学院医学系研究科神経薬理学''<br>
''群馬大学大学院医学系研究科神経薬理学''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年8月15日 原稿完成日:2016年8月20日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年8月15日 原稿完成日:2016年8月20日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/wadancnp 和田 圭司](国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/wadancnp 和田 圭司](国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)<br>
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英:drebrin


{{box|text= ドレブリンはアクチン結合タンパク質として知られ、そのアイソフォームには主にドレブリンEとドレブリンAがある。ドレブリンEは胎児期及び幼若期に主に発現し、成熟期にはドレブリンAが神経細胞特異的に発現する。ドレブリンEは突起伸展や軸索成長に影響を及ぼし、ドレブリンAはシナプス後部に集積し樹状突起スパインの形成を促進する機能がある。また、ドレブリンAはシナプス可塑性にも関与することが知られている。}}
{{box|text= ドレブリンはアクチン結合タンパク質として知られ、そのアイソフォームには主にドレブリンEとドレブリンAがある。ドレブリンEは胎児期及び幼若期に主に発現し、成熟期にはドレブリンAが神経細胞特異的に発現する。ドレブリンEは突起伸展や軸索成長に影響を及ぼし、ドレブリンAはシナプス後部に集積し樹状突起スパインの形成を促進する機能がある。また、ドレブリンAはシナプス可塑性にも関与することが知られている。}}
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===ドレブリンノックアウトマウス===
===ドレブリンノックアウトマウス===
 これまでにドレブリンAノックアウト(DAKO)マウスを用いた研究が中心に行われている。DAKOマウスではドレブリンAに代わってドレブリンEが発現しているが、脳の形態や行動に大きな異常は見られない。しかしながら恐怖条件付けに異常が見られること<ref name=ref><pubmed>19837137</pubmed></ref>や、特に成熟個体の海馬CA1領域におけるLTPの形成が阻害されること、尖端樹状突起のスパインの長さが有意に長くなっていることなどが報告されている<ref name=ref11 />。
 これまでにドレブリンA[[ノックアウトマウス|ノックアウト(DAKO)マウス]]を用いた研究が中心に行われている。DAKOマウスではドレブリンAに代わってドレブリンEが発現しているが、脳の形態や行動に大きな異常は見られない。しかしながら[[恐怖条件づけ]]に異常が見られること<ref name=ref><pubmed>19837137</pubmed></ref>や、特に成熟個体の海馬[[CA1領域]]における[[LTP]]の形成が阻害されること、尖端樹状突起のスパインの長さが有意に長くなっていることなどが報告されている<ref name=ref11 />。


==関連語==
==関連語==