「ドレブリン」の版間の差分

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==構造==
==構造==
[[image:1ドレブリン.png|thumb|350px|'''図1.'''<br>ADF-H:ADFホモロジードメイン<br>AR1:アクチン結合領域1<br>AR2:アクチン結合領域2<br>In 2:In 2(ドレブリンA特異的配列)<br>P:プロリンリッチ領域]]
 ドレブリンはN末端に[[ADF]]-ホモロジードメインを持つ分子で、[[コフィリン]]やツインフィリンとスーパーファミリーを作っていると考えることができる。ドレブリンは大きく分けると、幼若型(ドレブリンE)と成熟型(ドレブリンA)の二種類に分かれる。ドレブリンのアイソフォームは単一遺伝子から選択的スプライシングにより生成されるため(Kojima et al., 1993)、アミノ酸配列はほぼ同一であるが、ドレブリンAのみがins2配列を持つ(図1)。
 ドレブリンはN末端に[[ADF]]-ホモロジードメインを持つ分子で、[[コフィリン]]やツインフィリンとスーパーファミリーを作っていると考えることができる。ドレブリンは大きく分けると、幼若型(ドレブリンE)と成熟型(ドレブリンA)の二種類に分かれる。ドレブリンのアイソフォームは単一遺伝子から選択的スプライシングにより生成されるため(Kojima et al., 1993)、アミノ酸配列はほぼ同一であるが、ドレブリンAのみがins2配列を持つ(図1)。


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==サブファミリー==
==サブファミリー==
ドレブリンE(幼若型アイソフォーム)
ドレブリンE(幼若型アイソフォーム)
ドレブリンA(成熟型アイソフォーム、神経特異的)
ドレブリンA(成熟型アイソフォーム、神経特異的)


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===シナプス可塑性とドレブリン===
===シナプス可塑性とドレブリン===
 ドレブリンAのスパインへの局在は神経活動依存的に変化し、シナプス可塑性に伴い一過性に樹状突起スパインから樹状突起シャフトへと移動することが分かっている。これはNMDA受容体を介した[[CA2|Ca2]]+の流入により引き起こされ、加えて、ミオシンIIによる調整を受けていることも示唆されている(Mizui et al., 2014)。この一過性の移動はスパインが形態的変化を起こすために重要な役割を果たしていると考えられている(図2)。
[[image:2ドレブリン.png|thumb|350px|'''図2.''']]
また、ドレブリンAはLTPの形成に重要でありドレブリンEではその役割を補完できない、つまり、ドレブリンのアイソフォーム変換はLTPが形成されるようになるために重要であることが示唆されている(Kojima et al., 2016)。
 
 ドレブリンAのスパインへの局在は神経活動依存的に変化し、シナプス可塑性に伴い一過性に樹状突起スパインから樹状突起シャフトへと移動することが分かっている。これはNMDA受容体を介した[[CA2|Ca2]]+の流入により引き起こされ、加えて、ミオシンIIによる調整を受けていることも示唆されている(Mizui et al., 2014)。この一過性の移動はスパインが形態的変化を起こすために重要な役割を果たしていると考えられている(図2)。
 
 また、ドレブリンAはLTPの形成に重要でありドレブリンEではその役割を補完できない、つまり、ドレブリンのアイソフォーム変換はLTPが形成されるようになるために重要であることが示唆されている(Kojima et al., 2016)。


===認知障害とドレブリン===
===認知障害とドレブリン===