「ドーパミン仮説(統合失調症)」の版間の差分

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 ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。  
 ドーパミン仮説は統合失調症の病態としてドーパミン系の変調が関わっているとしているがその病因については踏み込んでいない。しかし、統合失調症の病因、リスク因子がドーパミン系の変調に関わっている証拠は得られつつあり、病因病態の共通経路としてドーパミン仮説は捉え直されている。  


=== 遺伝学的研究 ===
=== 遺伝要因 ===
 候補遺伝子解析ではドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している多型は個々ではその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想されるが、統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。<br> 統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている<ref><pubmed> 17655830 </pubmed></ref>。
 統合失調症患者の第一度親族では線条体のドーパミン合成が亢進していることが報告されている<ref><pubmed> 17655830 </pubmed></ref>。
 分子遺伝学的研究ではドーパミン神経系をコードしている遺伝子の変異が統合失調症の病因として大きく関わっているとする証拠はまだ見つかっていない。これまで頻度の高いゲノム多型と統合失調症との関連が調べられ、候補遺伝子解析によりドーパミン受容体、ドーパミン輸送体、小胞モノアミン輸送体などとの関連が報告されているが、関連している個々の多型はその影響力は小さい。遺伝学的研究はまだ発展途上であり、今後はより影響力の強い稀な変異が発見されていくと予想される。統合失調症のリスクや症状、治療に関わるゲノムの変異がどのパスウエイに集約され、ドーパミン機能にどのように関わっているかは今後の研究を待たなければならない。<br>


=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===
=== 統合失調症のリスクとなる環境要因 ===
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