「ドーパミン」の版間の差分

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 ドーパミン合成の[[律速酵素]]であるTHは、[[セロトニン]]合成経路の[[トリプトファン水酸化酵素]]と同様に[[テトラヒドロビオプテリン]]を[[補因子]]とし、通常はチロシンで飽和している。THはしばしばドーパミン又はカテコールアミン作動性神経のマーカーとして用いられるが、THを発現していてもAADCを発現していない場合があり、THを発現していても必ずしもカテコールアミン作動性神経とは言えない<ref name="ref1"><pubmed> 17408759 </pubmed></ref>。  
 ドーパミン合成の[[律速酵素]]であるTHは、[[セロトニン]]合成経路の[[トリプトファン水酸化酵素]]と同様に[[テトラヒドロビオプテリン]]を[[補因子]]とし、通常はチロシンで飽和している。THはしばしばドーパミン又はカテコールアミン作動性神経のマーカーとして用いられるが、THを発現していてもAADCを発現していない場合があり、THを発現していても必ずしもカテコールアミン作動性神経とは言えない<ref name="ref1"><pubmed> 17408759 </pubmed></ref>。  
(ここで小胞型モノアミントランスポーターについても触れていただけないでしょうか?他のモノアミンも運ぶSLC18A1と2と考えてよいのでしょうか?)


 ドーパミンの代謝には[[モノアミン酸化酵素]]([[Monoamine oxidase]]、[[MAO]])による経路と[[カテコール-O-メチル基転移酵素]]([[Catechol-O-methyltransferase]]、[[COMT]])による経路の二通りがあり、両者とも最終的に代謝産物として[[ホモバニリン酸]]を生じる。MAOには[[MAOA|MAO<sub>A</sub>]]と[[MAOB|MAO<sub>B</sub>]]の二種類のアイソザイムが存在し、カテコールアミン作動性神経には主にMAO<sub>A</sub>が発現しているが、[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]の場合ドーパミンはMAO<sub>B</sub>によって代謝される<ref name="ref2"><pubmed> 10202537 </pubmed></ref>。  
 ドーパミンの代謝には[[モノアミン酸化酵素]]([[Monoamine oxidase]]、[[MAO]])による経路と[[カテコール-O-メチル基転移酵素]]([[Catechol-O-methyltransferase]]、[[COMT]])による経路の二通りがあり、両者とも最終的に代謝産物として[[ホモバニリン酸]]を生じる。MAOには[[MAOA|MAO<sub>A</sub>]]と[[MAOB|MAO<sub>B</sub>]]の二種類のアイソザイムが存在し、カテコールアミン作動性神経には主にMAO<sub>A</sub>が発現しているが、[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]]の場合ドーパミンはMAO<sub>B</sub>によって代謝される<ref name="ref2"><pubmed> 10202537 </pubmed></ref>。  


== 放出と信号伝達  ==
== 放出と信号伝達  ==
(ここで小胞型モノアミントランスポーターについても触れていただけないでしょうか?他のモノアミンも運ぶSLC18A1と2と考えてよいのでしょうか?)
 
 小胞内に貯蔵されたドーパミンは開口放出によって細胞外に放出される。ドーパミン神経の投射部位のみならず黒質や腹側被蓋野でもドーパミンは放出される。これらの部位では細胞体や樹状突起からドーパミンが放出され、特に黒質ではそれが主であると考えられている。  
 小胞内に貯蔵されたドーパミンは開口放出によって細胞外に放出される。ドーパミン神経の投射部位のみならず黒質や腹側被蓋野でもドーパミンは放出される。これらの部位では細胞体や樹状突起からドーパミンが放出され、特に黒質ではそれが主であると考えられている。