「ニューロブラスト」の版間の差分

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(Neurod1を修正しました。新しく追加した (Fitzgerald et al., 2006 Neuroscience 703-716) (Iulianella et al, 2008, Development 135, 729-741)文献について、refの入れ方が不明です。)
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===胎生期===
===胎生期===
 上記で述べたとおり、ショウジョウバエの場合においてニューロブラストは自己複製的分裂能があり、非対称細胞分裂を起こすことで再びニューロブラストおよび分化した娘細胞を生み出すことができる。哺乳類の神経発生の研究が進むにつれ、自己複製能を持ち更に分化細胞を産生できる能力を持つ「ショウジョウバエにおけるニューロブラスト」にあたる細胞は脳室(アピカル)側に存在する[[神経上皮細胞]]もしくは[[放射状グリア細胞]]、および基底膜側に存在する[[OSVZ(Outer SubVentricularZone)前駆細胞]]といった「[[神経前駆細胞]](neural progenitor cells)」であることが明らかになってきている。近年の用例では、古くからの呼称であるニューロブラストは既に分裂能を喪失している(post-mitotic)細胞を指しており、これらはむしろnew-born neuronという呼称が適切と考えられる'''(日本語では「新生ニューロン」?)'''。例として、"asymmetric divisions generate one new RG (=Radial Glia) and either a postmitotic neuroblast, or a basal progenitor." 「非対称分裂により、一つのラジアルグリア細胞と、一つの増殖停止したニューロブラストもしくはbasal progenitor(=中間前駆細胞)が生み出される」(Fitzgerald et al., 2006 Neuroscience 703-716) 等が挙げられる。解釈の相違を避けるため、著者自身により論文中でその定義を記載している場合もある。例; "Here we define neuroblasts as migratory immature neuronal descendants of progenitor cells that express basic helix-loop-helix (bHLH) proteins such as Neurod1"「ここで我々(=著者)は、Neurod1などのbasic helix-loop-helixタンパク質を発現している未成熟な神経細胞(前駆細胞を由来とする)をニューロブラストと定義する」(Iulianella et al, 2008, Development 135, 729-741)。
 上記で述べたとおり、ショウジョウバエの場合においてニューロブラストは自己複製的分裂能があり、非対称細胞分裂を起こすことで再びニューロブラストおよび分化した娘細胞を生み出すことができる。哺乳類の神経発生の研究が進むにつれ、自己複製能を持ち更に分化細胞を産生できる能力を持つ「ショウジョウバエにおけるニューロブラスト」にあたる細胞は脳室(アピカル)側に存在する[[神経上皮細胞]]もしくは[[放射状グリア細胞]]、および基底膜側に存在する[[OSVZ(Outer SubVentricularZone)前駆細胞]]といった「[[神経前駆細胞]](neural progenitor cells)」であることが明らかになってきている。近年の用例では、古くからの呼称であるニューロブラストは既に分裂能を喪失している(post-mitotic)細胞を指しており、これらはむしろnew-born neuronという呼称が適切と考えられる'''(日本語では「新生ニューロン」?)'''。例として、"asymmetric divisions generate one new RG (=Radial Glia) and either a postmitotic neuroblast, or a basal progenitor." 「非対称分裂により、一つのラジアルグリア細胞と、一つの増殖停止したニューロブラストもしくはbasal progenitor(=中間前駆細胞)が生み出される」<ref><pubmed>16908105</pubmed></ref>等が挙げられる。解釈の相違を避けるため、著者自身により論文中でその定義を記載している場合もある。例; "Here we define neuroblasts as migratory immature neuronal descendants of progenitor cells that express basic helix-loop-helix (bHLH) proteins such as Neurod1"「ここで我々(=著者)は、Neurod1などのbasic helix-loop-helixタンパク質を発現している未成熟な神経細胞(前駆細胞を由来とする)をニューロブラストと定義する」<ref><pubmed>18223201</pubmed></ref>。


 発生期大脳皮質においては、new-born neuronは上記に挙げた自己複製能を持ち非対称細胞分裂を行う神経前駆細胞(代表的マーカー分子として[[Pax6]]を発現<ref name=ref8><pubmed>9856459</pubmed></ref> <ref name=ref22><pubmed>18467663</pubmed></ref>、また自己複製能は持たないが対称的分裂によりニューロンを産生する[[intermediate progenitor]](もしくは[[basal progenitor]])<ref name=ref9><pubmed>14963232</pubmed></ref> <ref name=ref20><pubmed>15175243</pubmed></ref> <ref name=ref21><pubmed>14703572</pubmed></ref>(代表的マーカー分子として[[Tbr2]]を発現<ref name=ref6><pubmed>15634788</pubmed></ref>)からの細胞分裂直後に生じた細胞のことを指すと言える。
 発生期大脳皮質においては、new-born neuronは上記に挙げた自己複製能を持ち非対称細胞分裂を行う神経前駆細胞(代表的マーカー分子として[[Pax6]]を発現<ref name=ref8><pubmed>9856459</pubmed></ref> <ref name=ref22><pubmed>18467663</pubmed></ref>、また自己複製能は持たないが対称的分裂によりニューロンを産生する[[intermediate progenitor]](もしくは[[basal progenitor]])<ref name=ref9><pubmed>14963232</pubmed></ref> <ref name=ref20><pubmed>15175243</pubmed></ref> <ref name=ref21><pubmed>14703572</pubmed></ref>(代表的マーカー分子として[[Tbr2]]を発現<ref name=ref6><pubmed>15634788</pubmed></ref>)からの細胞分裂直後に生じた細胞のことを指すと言える。