「ネプリライシン」の版間の差分

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'''3 発現(組織分布、細胞内分布)'''  
'''3 発現(組織分布、細胞内分布)'''  


ネプリライシンは体内で広く分布しているが、特に腎臓の刷子縁膜、小腸、胎盤、免疫系の細網細胞、精巣および卵巣に高発現している<ref name="ref1" /><ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。脳では尾状核被殻、脈絡叢、淡蒼球、黒質、嗅結節、歯状回分子層および海馬網状分子層に強い発現が見られる<ref name="ref11"><pubmed> 12074840 </pubmed></ref>。新皮質ではⅡ・ⅢおよびV層に、嗅内皮質のような旧皮質ではIおよびⅢ層に豊富に存在し、層間で異なる局在性を示す。貫通線維束、Schaffer側枝、反回側枝など海馬体の主要神経回路を構成する神経線維の終末部位(プレシナプス部位)に存在している<ref name="ref11" />。ネプリライシンは膜タンパク質であり、タンパク合成後、分泌(シナプス)小胞に乗り、軸索を通してシナプス終末に運ばれるので、上述のような神経回路をつなぐシナプス間隙でAβを分解していると考えられている。  
ネプリライシンは体内で広く分布しているが、特に腎臓の刷子縁膜、小腸、胎盤、免疫系の細網細胞、精巣および卵巣に高発現している<ref name="ref1" /><ref name="ref2" /><ref name="ref3" />。脳では尾状核被殻、脈絡叢、淡蒼球、黒質、嗅結節、歯状回分子層および海馬網状分子層に強い発現が見られる<ref name="ref11"><pubmed> 12074840 </pubmed></ref>。新皮質ではⅡ・ⅢおよびV層に、嗅内野のような旧皮質ではIおよびⅢ層に豊富に存在し、層間で異なる局在性を示す。貫通線維束、Schaffer側枝、反回側枝など海馬体の主要神経回路を構成する神経線維の終末部位(プレシナプス部位)に存在している<ref name="ref11" />。ネプリライシンは膜タンパク質であり、タンパク合成後、分泌(シナプス)小胞に乗り、軸索を通してシナプス終末に運ばれるので、上述のような神経回路をつなぐシナプス間隙でAβを分解していると考えられている。  


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<br> '''8 関連項目''' <references />  
<br> '''8 関連項目''' <references />  


*神経ペプチド
*嗅内野
*海馬
*アルツハイマー病  
*アルツハイマー病  
*遺伝子欠損マウス  
*遺伝子欠損マウス  
*トランスジェニックマウス  
*トランスジェニックマウス
*海馬
*嗅内皮質


<br> '''9 参考文献''' <references />  
<br> '''9 参考文献''' <references />  
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