「ノンコーディングRNA」の版間の差分

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=== トランスポゾンの神経系における機能 ===
=== トランスポゾンの神経系における機能 ===
 ヒト胎児由来の神経前駆細胞を用いたin vitroの解析において、LINE1の転移が起こることが見出されている。おそらく、piRNAがこの転移を制御し、個々の神経細胞における遺伝子発現制御に対し、挿入部位依存性のモザイク性の獲得を可能とさせ、脳の多様性形成に関与することが示唆された<ref name=ref3 /> <ref name=ref17><pubmed>19657334</pubmed></ref>。特に[[統合失調症]]をはじめとした精神疾患患者群において優位なLINE1のコピー数の増大が認められるなど、精神疾患の病態におけるLINE-1の関与が注目されている。実際、統合失調症の大きな遺伝性リスクとされる[[22番染色体(22q11)欠失]]を持つ患者由来[[iPS細胞]]から分化させた神経細胞を用いた解析においてLINE-1のコピー数の増大が確認されている<ref name=ref18><pubmed>24389010</pubmed></ref>。
 ヒト胎児由来の神経前駆細胞を用いたin vitroの解析において、LINE1の転移が起こることが見出されている。おそらく、piRNAがこの転移を制御し、個々の神経細胞における遺伝子発現制御に対し、挿入部位依存性のモザイク性の獲得を可能とさせ、脳の多様性形成に関与することが示唆された<ref name=ref3 /> <ref name=ref17><pubmed>19657334</pubmed></ref>。特に[[統合失調症]]をはじめとした精神疾患患者群において優位なLINE1のコピー数の増大が認められるなど、精神疾患の病態におけるLINE-1の関与が注目されている。実際、統合失調症の大きな遺伝性リスクとされる[[22q11.2欠失症候群および22q11.2重複症候群|22番染色体(22q11)欠失]]を持つ患者由来[[iPS細胞]]から分化させた神経細胞を用いた解析においてLINE-1のコピー数の増大が確認されている<ref name=ref18><pubmed>24389010</pubmed></ref>。


=== その他のncRNAの神経系における機能 ===
=== その他のncRNAの神経系における機能 ===