「バーグマングリア」の版間の差分

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組織像  [[Image:Kengaku Fig 2.jpg|thumb|right|298px|図2 小脳皮質のおけるバーグマングリアの配置]]  
組織像  [[Image:Kengaku Fig 2.jpg|thumb|right|298px|図2 小脳皮質のおけるバーグマングリアの配置]]  


バーグマングリアの細胞体は、小脳皮質[[プルキンエ細胞層]]に整列するプルキンエ細胞の[[細胞体]]周辺に不規則に配置する(図1)。プルキンエ細胞とバーグマングリアの割合はおよそ1:8とされる。細胞体から垂線方向に伸び脳表の[[軟膜]]へ到達する特徴的な放射状線維(radial fiber)は細胞毎に5本程度で、幹に多数の薄片状
バーグマングリアの細胞体は、小脳皮質[[プルキンエ細胞層]]に整列するプルキンエ細胞の[[細胞体]]周辺に不規則に配置する(図1)。プルキンエ細胞とバーグマングリアの割合はおよそ1:8とされる。細胞体から垂線方向に伸び脳表の[[軟膜]]へ到達する特徴的な放射状線維(radial fiber)は細胞毎に5本程度で、幹に多数の薄片状または刺状の突起を形成する。同一の細胞に由来する放射状線維は、扇形に展開するプルキンエ細胞[[樹状突起]]と垂直に小脳冠状面(正中面に垂直な面)に広がる傾向がある(図2)。樹状突起と異なり、放射状線維は分岐が少なく先細りしない。先端で膨張してendfeetを形成し、軟膜と結合する。 [[Image:Kengaku Fig 3.jpg|thumb|right|351px|図3 バーグマングリア細胞体(BG)とプルキンエ細胞 (PC)および顆粒細胞 (GC)(スケールバーは2 µm) 写真提供:京都府立医大 小野勝彦博士]]  
 
または刺状の突起を形成する。同じ細胞由来の放射状線維は、扇形に展開するプルキンエ細胞[[樹状突起]]と垂直に小脳冠状面(正中面に垂直な面)に広がる傾向がある(図2)。樹状突起と異なり、放射状線維は分岐が少なく先細りしない。先端で膨張してendfeetを形成し、軟膜と結合する。 [[Image:Kengaku Fig 3.jpg|thumb|right|351px|図3 バーグマングリア細胞体(BG)とプルキンエ細胞 (PC)および顆粒細胞 (GC)(スケールバーは2 µm) 写真提供:京都府立医大 小野勝彦博士]]  


=== 微細構造  ===
=== 微細構造  ===
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=== 分化制御  ===
=== 分化制御  ===


放射状線維は生後発達期には小脳軟膜直下の[[外顆粒層]]から皮質深層の[[内顆粒層]]へ移動する顆粒細胞の足場になると考えられている。また同時期にプルキンエ細胞樹状突起もグリア線維を伝うように伸展する。詳細な機構は不明であるが、バーグマングリアに発現する[[受容体型チロシンホスファターゼ]]PTPζの機能阻害によりプルキンエ細胞樹状突起形成に異常が生じるという報告がある<ref><pubmed> 12684467 </pubmed></ref>。  
放射状線維は、生後発達期には小脳軟膜直下の[[外顆粒層]]から皮質深層の[[内顆粒層]]へ移動する顆粒細胞の足場になると考えられている。また同時期にプルキンエ細胞樹状突起もグリア線維を伝うように伸展する。詳細な機構は不明であるが、バーグマングリアに発現する[[受容体型チロシンホスファターゼ]]PTPζの機能阻害によりプルキンエ細胞樹状突起形成に異常が生じるという報告がある<ref><pubmed> 12684467 </pubmed></ref>。  


=== 神経活動制御  ===
=== 神経活動制御  ===
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