「パッチクランプ法」の版間の差分

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== 基本的技術 ==
== 基本的技術 ==


 先端が開口している[[ガラス微小ピペット]]を電極として用いる。電極先端の径は1μmほどであり、この大きさは[[細胞膜]]上の[[イオンチャネル]]が数個入る程度である。さらに、熱加工により先端表面は滑らかであり、細胞膜と高抵抗で密着する。電極内部は、実験目的に応じて選択された電極内液によって満たされる。例えば、セルアタッチ法では、内液と細胞外液のイオン組成は同等とする。また、薬物を添加したり、イオン組成を変えたりして、異なる環境下のイオンチャネルの挙動を解析することも可能である。内液と接触している[[wj:塩化銀|塩化銀]]の金属線により、専用アンプへ電流を伝える。電極は細胞に接触し、吸引により内部に軽い陰圧をかけることで、細胞膜とピペット先端との隙間を非常に小さくする。この隙間の絶縁性は非常に高いため、電極内部と細胞外液の間の電気抵抗は非常に高くなる。この電気抵抗は1ギガオーム以上になるため、このピペットと細胞膜の密着をギガシールと呼ぶ。このギガシールにより、漏れ電流が非常に小さくなり、イオンチャネルの開閉による小さな電流を測定することが可能となる。
 先端が開口している[[ガラス微小ピペット]]を電極として用いる。電極先端の径は1μmほどであり、この大きさは[[細胞膜]]上の[[イオンチャネル]]が数個入る程度である。さらに、熱加工により先端表面は滑らかであり、細胞膜と高抵抗で密着する。電極内部は、実験目的に応じて選択された電極内液(典型的な電極内液の組成についてもご解説下さい)によって満たされる。例えば、セルアタッチ法では、内液と細胞外液のイオン組成は同等とする。また、薬物を添加したり、イオン組成を変えたりして、異なる環境下のイオンチャネルの挙動を解析することも可能である。内液と接触している[[wj:塩化銀|塩化銀]](どうして塩化銀を使うのかもご説明下さい)の金属線により、専用アンプへ電流を伝える。電極は細胞に接触し、吸引により内部に軽い陰圧をかけることで、細胞膜とピペット先端との隙間を非常に小さくする。この隙間の絶縁性は非常に高いため、電極内部と細胞外液の間の電気抵抗は非常に高くなる。この電気抵抗は1ギガオーム以上になるため、このピペットと細胞膜の密着をギガシールと呼ぶ。このギガシールにより、漏れ電流が非常に小さくなり、イオンチャネルの開閉による小さな電流を測定することが可能となる。
 
(電位固定法の基本的技術とその意義についてもご解説下さい)
(電極抵抗のモニター(パッチ作成時と記録中。Rsの測定意義など)についても実践的にご解説いただければ幸いです)


== 種々の方法 ==
== 種々の方法 ==