「ヒストン脱アセチル化酵素」の版間の差分

16行目: 16行目:


== 分類 ==
== 分類 ==
 現在までに、哺乳動物では18種類のHDACが同定されており、構造の違いからクラスIからクラスIVに大別される。クラスⅠ(HDAC1、2、3、8)、クラスⅡa(HDAC4、5、7、9)、クラスⅡb(HDAC6、10)、クラスⅢ(SIRT1~7)、クラスⅣ(HDAC11)である。HDACは単独の酵素として機能するのではなく、転写因子やコリプレッサーなどを含む複数の構成要素からなる大きな複合体を形成することで脱アセチル化酵素として機能している。
 現在までに、哺乳動物では18種類のHDACが同定されており、構造の違いからクラスIからクラスIVに大別される。クラスⅠ(HDAC1、2、3、8)、クラスIIa(HDAC4、5、7、9)、クラスIIb(HDAC6、10)、クラスIII(SIRT1~7)、クラスIV(HDAC11)である。HDACは単独の酵素として機能するのではなく、転写因子やコリプレッサーなどを含む複数の構成要素からなる大きな複合体を形成することで脱アセチル化酵素として機能している。


{| class="wikitable" style="text-align: center; "
{| class="wikitable" style="text-align: center; "
25行目: 25行目:
| rowspan="4"|I||[[HDAC1]]||1||核||ユビキタス||[[アンドロゲン受容体]]、[[SHP]], [[p53]], [[MyoD]], [[E2F1]], [[STAT3]], [[MEF2D]]|| -||胚性致死、ヒストンアセチル化の増加、[[p21]]と[[p27]]の増加。
| rowspan="4"|I||[[HDAC1]]||1||核||ユビキタス||[[アンドロゲン受容体]]、[[SHP]], [[p53]], [[MyoD]], [[E2F1]], [[STAT3]], [[MEF2D]]|| -||胚性致死、ヒストンアセチル化の増加、[[p21]]と[[p27]]の増加。
|-
|-
| [[HDAC2]] || 1||核||ユビキタス||[[グルココルチコイド受容体]]、[[YY1]]、[[BCL6]]、[[STAT3]]|| - || 心筋障害
| [[HDAC2]] || 1||核||ユビキタス||[[グルココルチコイド受容体]]、[[YY1]]、[[BCL6]]、STAT3|| - || 心筋障害
|-
|-
| [[HDAC3]] || 1||核||ユビキタス||[[SHP]]、[[YY1]]、[[GATA1]]、[[RELA]]、STAT3、MEF2D||[[NCOR1]]|| -
| [[HDAC3]] || 1||核||ユビキタス||[[SHP]]、[[YY1]]、[[GATA1]]、[[RELA]]、STAT3、MEF2D||[[NCOR1]]|| -
35行目: 35行目:
| [[HDAC5]] || 1||核・細胞質||心臓・骨格筋・脳||GCMA, [[SMAD7]], [[HP1]]|| [[REA]]、[[エストロゲン受容体]]|| 心筋障害
| [[HDAC5]] || 1||核・細胞質||心臓・骨格筋・脳||GCMA, [[SMAD7]], [[HP1]]|| [[REA]]、[[エストロゲン受容体]]|| 心筋障害
|-
|-
| [[HDAC7]] || 1||核・細胞質・ミトコンドリア||心臓・骨格筋・膵臓・胎盤||[[PLAG1]][[PLAG2]]||[[HIF1A]], [[BCL6]], [[エンドセリン受容体]], [[ACTN1]], [[ACTN4]], [[アンドロゲン受容体]], [[KAT5|Tip60]]||血管完全性の維持、[[MMP10]]の増加
| [[HDAC7]] || 1||核・細胞質・ミトコンドリア||心臓・骨格筋・膵臓・胎盤||[[PLAG1]], [[PLAG2]]||[[HIF1A]], [[BCL6]], [[エンドセリン受容体]], [[ACTN1]], [[ACTN4]], [[アンドロゲン受容体]], [[KAT5|Tip60]]||血管完全性の維持、[[MMP10]]の増加
|-
|-
| [[HDAC9]]|| 1||核・細胞質||脳・骨格筋||-||[[FOXP3]]|| 心筋障害
| [[HDAC9]]|| 1||核・細胞質||脳・骨格筋||-||[[FOXP3]]|| 心筋障害
43行目: 43行目:
|| [[HDAC10]] ||1||ほとんどが細胞質||肝臓、脾臓、腎臓|| - || - || -
|| [[HDAC10]] ||1||ほとんどが細胞質||肝臓、脾臓、腎臓|| - || - || -
|-
|-
| rowspan="2" |III||[[サーチュイン]]([[SIRT1]], [[SIRT2]], [[SIRT3]], [[SIRT4]], [[SIRT5]], [[SIRT6]], [[SIRT7]]) || - || - || - || - || - || -
|III||[[サーチュイン]]([[SIRT1]], [[SIRT2]], [[SIRT3]], [[SIRT4]], [[SIRT5]], [[SIRT6]], [[SIRT7]]) || - || - || - || - || - || -
|-
|-
| iv||[[HDAC11]]||2||核・細胞質||脳、心臓、骨格筋、腎臓|| - || - || -
|IV||[[HDAC11]]||2||核・細胞質||脳、心臓、骨格筋、腎臓|| - || - || -
|}
|}
Wikipediaより、編集部にて翻訳、改変。
Wikipediaより、編集部にて翻訳、改変。