「フェロモン受容体」の版間の差分

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==== 遺伝子の特徴と受容体の構造 ====
==== 遺伝子の特徴と受容体の構造 ====
 V1Rは7回膜貫通型Gタンパク質共役型受容体(GPCR)である。V1R遺伝子はマウスにおいて191個から成る多重遺伝子ファミリーを形成していて、配列中にイントロンを含まない7,10<ref name=Dulac1995/><ref><pubmed>19952141</pubmed></ref>。鋤鼻上皮において上層側の1つの鋤鼻神経細胞には1種類のV1Rがモノアレルに発現している<ref><pubmed>17611603</pubmed></ref>11。マウスと[[ラット]]という比較的近縁な種間でもV1R遺伝子のレパートリーが大きく異なることから、V1Rの進化は比較的早く、種特異的なフェロモン受容を可能にしていることが予想される<ref><pubmed>15790682</pubmed></ref>12。V1RはN末端の細胞外領域が比較的短く、ORと同じクラスAのGPCRに属するが、V1R遺伝子とOR遺伝子の間のホモロジーはほとんどない。
 V1Rは7回膜貫通型[[Gタンパク質共役型受容体]](GPCR)である。V1R遺伝子はマウスにおいて191個から成る多重遺伝子ファミリーを形成していて、配列中にイントロンを含まない7,10<ref name=Dulac1995/><ref><pubmed>19952141</pubmed></ref>。鋤鼻上皮において上層側の1つの鋤鼻神経細胞には1種類のV1Rがモノアレルに発現している<ref><pubmed>17611603</pubmed></ref>11。マウスと[[ラット]]という比較的近縁な種間でもV1R遺伝子のレパートリーが大きく異なることから、V1Rの進化は比較的早く、種特異的なフェロモン受容を可能にしていることが予想される<ref><pubmed>15790682</pubmed></ref>12。V1RはN末端の細胞外領域が比較的短く、ORと同じクラスAのGPCRに属するが、V1R遺伝子とOR遺伝子の間のホモロジーはほとんどない。


==== シグナル伝達 ====
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