「ホスファチジルイノシトール」の版間の差分

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== '''要約'''  ==


 ホスファチジルイノシトール(ホスホイノシタイド)は細胞性粘菌から哺乳類にいたるまで広く存在するリン脂質である。ホスファチジルイノシトールは7種類のイノシトール環を持つリン脂質の総称であり、細胞膜、ゴルジ体膜、エンドソームなど細胞膜の構成成分である。シグナル伝達のセカンドメッセンジャー産生を介してシグナル伝達を行うのに加えて、多くのタンパク質と結合して、これらのタンパク質を膜に局在させる働きを持つ。ホスファチジルイノシトールはキナーゼやホスファターゼによって精巧な代謝制御を受けており、これは細胞増殖、細胞内物質輸送、細胞骨格制御に必須である。また、この代謝異常はがんや糖尿病など多くの疾患の原因となる。
 ホスファチジルイノシトール(ホスホイノシタイド)は細胞性粘菌から哺乳類にいたるまで広く存在するリン脂質である。ホスファチジルイノシトールは7種類のイノシトール環を持つリン脂質の総称であり、細胞膜、ゴルジ体膜、エンドソームなど細胞膜の構成成分である。シグナル伝達のセカンドメッセンジャー産生を介してシグナル伝達を行うのに加えて、多くのタンパク質と結合して、これらのタンパク質を膜に局在させる働きを持つ。ホスファチジルイノシトールはキナーゼやホスファターゼによって精巧な代謝制御を受けており、これは細胞増殖、細胞内物質輸送、細胞骨格制御に必須である。また、この代謝異常はがんや糖尿病など多くの疾患の原因となる。