「マイクロニューログラム」の版間の差分

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==マイクロニューログラムとは==
==マイクロニューログラムとは==
 [[wikipedia:ja:タングステン|タングステン]]などの金属微小電極を[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]][[末梢神経]]内に刺入し、単一あるいは複合[[神経線維]]の発射活動を記録する電気生理学的手法であるこの手法は、ヒトにおける求心性および遠心性の単一神経発射活動を測定できる唯一の方法であり、一般的に1.各種[[感覚受容器]]からの求心性神経活動([[wikipedia:ja:筋|筋]]や[[wikipedia:ja:皮膚|皮膚]]および[[関節受容器]]由来の発射活動等)や2. 筋および皮膚支配の[[交感神経]][[節後遠心性線維]]の活動を導出することが可能である。またこの方法は、神経発射活動の記録ばかりでなく、各種神経束の種類を同定したのち、記録電極を刺激電極に切り替えて電気刺激を行う、微小神経刺激法(マイクロスティムレーション法)による知覚研究<ref name="ref4"><pubmed>7260595fckLR</pubmed></ref>や、単一発射活動の脊髄反射誘発に関わる研究等にも利用されている<ref name="ref5"><pubmed>2946995</pubmed></ref> <ref name="ref6"><pubmed>11744774</pubmed></ref>。  
 [[wikipedia:ja:タングステン|タングステン]]などの金属微小電極を[[wikipedia:ja:ヒト|ヒト]][[末梢神経]]内に刺入し、単一あるいは複合[[神経線維]]の発射活動を記録する電気生理学的手法である。この手法は、ヒトにおける求心性および遠心性の単一神経発射活動を測定できる唯一の方法であり、一般的に1.各種[[感覚受容器]]からの求心性神経活動([[wikipedia:ja:筋|筋]]や[[wikipedia:ja:皮膚|皮膚]]および[[関節受容器]]由来の発射活動等)や2. 筋および皮膚支配の[[交感神経]][[節後遠心性線維]]の活動を導出することが可能である。またこの方法は、神経発射活動の記録ばかりでなく、各種神経束の種類を同定したのち、記録電極を刺激電極に切り替えて電気刺激を行う、微小神経刺激法(マイクロスティムレーション法)による知覚研究<ref name="ref4"><pubmed>7260595fckLR</pubmed></ref>や、単一発射活動の脊髄反射誘発に関わる研究等にも利用されている<ref name="ref5"><pubmed>2946995</pubmed></ref> <ref name="ref6"><pubmed>11744774</pubmed></ref>。  


 古くから臨床研究も行われており、各種疾患別の神経活動記録も報告されている<ref name="ref7"><pubmed>125783</pubmed></ref> <ref name="ref8">'''間野忠明'''<br>Microneurographyの基礎と臨床応用―宇宙医学の応用まで<br>''Brain and Nerve'' 2009 61: 227-242</ref> <ref name="ref9">'''Burke D, Gandevia SC, Macefield VG'''<br>Microneurography and motor disorders<br>''In Handbook of Clinical neurphysiol'' Vol1 M. Hallet (ed)</ref>。このように、マイクロニューログラムは、ヒト神経生理学の基礎研究から臨床応用まで幅広く利用されている電気生理学的手法である<ref name="ref1" /> <ref name="ref10"><pubmed>9219882</pubmed></ref>。  
 古くから臨床研究も行われており、各種疾患別の神経活動記録も報告されている<ref name="ref7"><pubmed>125783</pubmed></ref> <ref name="ref8">'''間野忠明'''<br>Microneurographyの基礎と臨床応用―宇宙医学の応用まで<br>''Brain and Nerve'' 2009 61: 227-242</ref> <ref name="ref9">'''Burke D, Gandevia SC, Macefield VG'''<br>Microneurography and motor disorders<br>''In Handbook of Clinical neurphysiol'' Vol1 M. Hallet (ed)</ref>。このように、マイクロニューログラムは、ヒト神経生理学の基礎研究から臨床応用まで幅広く利用されている電気生理学的手法である<ref name="ref1" /> <ref name="ref10"><pubmed>9219882</pubmed></ref>。


== 記録方法  ==
== 記録方法  ==