「マイクロフィラメント」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
31行目: 31行目:
 球状アクチンに結合する蛋白質プロフィリンは、ADPをATPへ交換してATP型アクチンの生成を触媒し、アクチンフィラメントのプラス端での重合反応を促進する。一方、アクチン重合反応はキャッピング蛋白質により負に制御されている。キャッピング蛋白質がフィラメントのプラス端を覆うと、新たな球状アクチンがプラス端に結合できず重合が阻害される。  
 球状アクチンに結合する蛋白質プロフィリンは、ADPをATPへ交換してATP型アクチンの生成を触媒し、アクチンフィラメントのプラス端での重合反応を促進する。一方、アクチン重合反応はキャッピング蛋白質により負に制御されている。キャッピング蛋白質がフィラメントのプラス端を覆うと、新たな球状アクチンがプラス端に結合できず重合が阻害される。  


 アクチンフィラメントの重合制御、すなわち重合可能なプラス端の形成には主として以下の3つのメカニズムが関与すると考えられている<ref><pubmed> 12600310 </pubmed></ref>:(1)アクチン重合核形成。既存のフィラメントの側面にArp2/3(actin-related protein 2/3)複合体が結合し、そこを新たな重合核として分岐したフィラメントが伸長する。(2)フィラメント切断。ADF(actin depolymerizing factor)/コフィリンがADP型フィラメントを切断して、重合可能なプラス端を露出する。(3)アンキャッピング。プラス端を覆うキャッピング蛋白質をはずして重合を可能にする。
 アクチンフィラメントの重合制御、すなわち重合可能なプラス端の形成には主として以下の3つのメカニズムが関与すると考えられている<ref><pubmed> 12600310 </pubmed></ref>:(1)アクチン重合核形成。既存のフィラメントの側面にArp2/3(actin-related protein 2/3)複合体が結合し、そこを新たな重合核として分岐したフィラメントが伸長する。(2)フィラメント切断。ADF(actin depolymerizing factor)/コフィリンがADP型フィラメントを切断し、重合可能なプラス端を露出する。(3)アンキャッピング。プラス端を覆うキャッピング蛋白質をはずして重合を可能にする。


 このようなアクチンフィラメントの動態は、主としてRhoファミリーGTP結合蛋白質の下流シグナルにより制御されている<ref><pubmed> 18719708 </pubmed></ref>。  
 このようなアクチンフィラメントの動態は、主としてRhoファミリーGTP結合蛋白質の下流シグナルにより制御されている<ref><pubmed> 18719708 </pubmed></ref>。