「ユビキチン」の版間の差分

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==ユビキチンとは==
==ユビキチンとは==
 ユビキチンは76アミノ酸(8.6kDa)からなる小球状タンパク質である。1975 年にGoldstein 博士らにより発見されubiquitousに存在することからユビキチンと命名されたが、機能は不明であった。その後、1978年にCiechanover、Hershko博士らによって着手されたエネルギー依存性分解系研究の過程でエネルギー依存的なタンパク質分解系の一部として働くことが判明した。2004年にはユビキチン依存的タンパク質分解系の発見者であるHershko博士らにノーベル化学賞が授与されている<ref name=Hershko1998><pubmed>9759494</pubmed></ref><ref name=Hershko1992><pubmed>1323239</pubmed></ref><ref name=岩井2015><pubmed>2015210082</pubmed></ref><ref name=Kornitzer2000><pubmed>10567911</pubmed></ref> 。
 ユビキチンは76アミノ酸(8.6kDa)からなる小球状タンパク質である。1975 年にGoldstein 博士らにより発見されubiquitousに存在することからユビキチンと命名されたが、機能は不明であった。その後、1978年にCiechanover、Hershko博士らによって着手されたエネルギー依存性分解系研究の過程でエネルギー依存的なタンパク質分解系の一部として働くことが判明した。2004年にはユビキチン依存的タンパク質分解系の発見者であるHershko博士らにノーベル化学賞が授与されている<ref name=Hershko1998><pubmed>9759494</pubmed></ref><ref name=Hershko1992><pubmed>1323239</pubmed></ref><ref name=岩井2015>岩井 一宏 (2015).<br>ノーベル賞と医学の進歩・発展 タンパク質分解のメカニズム 最新医学 70(4):800-4.</ref><ref name=Kornitzer2000><pubmed>10567911</pubmed></ref> 。


 ユビキチンはさまざまなタンパク質に結合すること(ユビキチン化)で、その機能を調節する。タンパク質の翻訳後修飾はリン酸化、アセチル化などの官能基によるものがほとんどであるが、ユビキチン化はそれ自身がタンパク質である点が大きく異なる点である。
 ユビキチンはさまざまなタンパク質に結合すること(ユビキチン化)で、その機能を調節する。タンパク質の翻訳後修飾はリン酸化、アセチル化などの官能基によるものがほとんどであるが、ユビキチン化はそれ自身がタンパク質である点が大きく異なる点である。