「リアノジン受容体」の版間の差分

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7.3 シナプス前終末における機能<ref><pubmed>18687898</pubmed></ref>(Shimizu et al., 2008) 海馬CA3領域の苔状線維軸索(シナプス前終末よりも軸索起始部寄りの部分)においては、電位依存性Ca<sup>2+</sup>チャネルによるCa<sup>2+</sup>シグナルがRyR1によるCICR機構を介して増幅されることにより、高頻度刺激に神経伝達物資の放出が増強されることが示されており、シナプス前終末における可塑性へのRyRの関与も示唆されている。  
7.3 シナプス前終末における機能<ref><pubmed>18687898</pubmed></ref> 海馬CA3領域の苔状線維軸索(シナプス前終末よりも軸索起始部寄りの部分)においては、電位依存性Ca<sup>2+</sup>チャネルによるCa<sup>2+</sup>シグナルがRyR1によるCICR機構を介して増幅されることにより、高頻度刺激に神経伝達物資の放出が増強されることが示されており、シナプス前終末における可塑性へのRyRの関与も示唆されている。  


<br>7.4 一酸化窒素依存的Ca<sup>2+</sup>放出<ref><pubmed>22036948</pubmed></ref> 脂質二重膜に発現させたRyR1の開口確率がNOの作用により上昇することは以前より知られていたが、この現象が生細胞で内因性のNOの作用により起こること、およびその機能的意義については長いこと不明であった。しかし、小脳平行線維-プルキンエ細胞シナプスにおけるNO依存的LTPが細胞内Ca<sup>2+</sup>シグナルにも依存的であることが判明したことから、プルキンエ細胞内でのNOとCa<sup>2+</sup>との関連性について解明が進み、神経活動によって産生放出された内因性のNOがRyR1を活性化することでCa<sup>2+</sup>放出が誘導される現象、NO依存的Ca<sup>2+</sup>放出(NO-induced Ca<sup>2+</sup> release; NICR)が発見された。このNICRはウサギRyR1における3635位のシステイン(マウスでは3636位に相当)がNOによりS-ニトロシル化されることで誘導されると推測されている。これまでに、NICRの小脳平行線維-プルキンエ細胞シナプスにおけるLTPへの関与、および、中大脳動脈の虚血再灌流による大脳皮質の神経細胞死への関与が示唆されている。  
<br>7.4 一酸化窒素依存的Ca<sup>2+</sup>放出<ref><pubmed>22036948</pubmed></ref> 脂質二重膜に発現させたRyR1の開口確率がNOの作用により上昇することは以前より知られていたが、この現象が生細胞で内因性のNOの作用により起こること、およびその機能的意義については長いこと不明であった。しかし、小脳平行線維-プルキンエ細胞シナプスにおけるNO依存的LTPが細胞内Ca<sup>2+</sup>シグナルにも依存的であることが判明したことから、プルキンエ細胞内でのNOとCa<sup>2+</sup>との関連性について解明が進み、神経活動によって産生放出された内因性のNOがRyR1を活性化することでCa<sup>2+</sup>放出が誘導される現象、NO依存的Ca<sup>2+</sup>放出(NO-induced Ca<sup>2+</sup> release; NICR)が発見された。このNICRはウサギRyR1における3635位のシステイン(マウスでは3636位に相当)がNOによりS-ニトロシル化されることで誘導されると推測されている。これまでに、NICRの小脳平行線維-プルキンエ細胞シナプスにおけるLTPへの関与、および、中大脳動脈の虚血再灌流による大脳皮質の神経細胞死への関与が示唆されている。  
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