「初代培養」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
25行目: 25行目:
=== オリゴデンドロサイトの初代培養  ===
=== オリゴデンドロサイトの初代培養  ===


 フラスコ内で培養したグリア混合培養をコンフルエントとなるまで培養し、振とうすることによってアストロサイト以外の細胞を培養上清中に回収する。その後、コートしていないペトリディッシュ上に上清を入れて静置する。この過程で接着能力の高いミクログリアはペトリ皿上に接着し、オリゴデンドロサイト前駆細胞は付着せず上清中に浮遊したままとなる。そこで、上清を単離し、無血清培地にPDGFやbFGFを添加した培地で培養することによって、オリゴデンドロサイト前駆細胞を増殖させることができる。培地を分化培地([[wikipedia:ja:血小板由来成長因子|血小板由来成長因子]](PDGF), [[wikipedia:bFGF|塩基性線維芽細胞成長因子]](bFGF))を含まない、[[wikipedia:ja:トリヨードサイロニン|トリヨードサイロニン]]を含む培地)で培養することによって、ミエリンの形成が誘導される。尚、ラット脳を材料とした場合であれば上記の方法で培養が可能であるが、マウス脳では困難である。そのため、マウス脳を材料とする場合には、一旦[[神経幹細胞]]から[[ニューロスフェア]]を形成させ、そこからオリゴデンドロサイトを分化誘導する方法が一般的である<ref><pubmed> 17546009 </pubmed></ref>。
 フラスコ内で培養したグリア混合培養をコンフルエントとなるまで培養し、振とうすることによってアストロサイト以外の細胞を培養上清中に回収する。その後、コートしていないペトリディッシュ上に上清を入れて静置する。この過程で接着能力の高いミクログリアはペトリ皿上に接着し、オリゴデンドロサイト前駆細胞は付着せず上清中に浮遊したままとなる<ref><pubmed> 17546009 </pubmed></ref>。そこで、上清を単離し、無血清培地にPDGFやbFGFを添加した培地で培養することによって、オリゴデンドロサイト前駆細胞を増殖させることができる。培地を分化培地([[wikipedia:ja:血小板由来成長因子|血小板由来成長因子]](PDGF), [[wikipedia:bFGF|塩基性線維芽細胞成長因子]](bFGF))を含まない、[[wikipedia:ja:トリヨードサイロニン|トリヨードサイロニン]]を含む培地)で培養することによって、ミエリンの形成が誘導される。尚、ラット脳を材料とした場合であれば上記の方法で培養が可能であるが、マウス脳では困難である。そのため、マウス脳を材料とする場合には、一旦[[神経幹細胞]]から[[ニューロスフェア]]を形成させ、そこからオリゴデンドロサイトを分化誘導する方法が一般的である<ref><pubmed> 17546009 </pubmed></ref>。


=== ミクログリアの初代培養  ===
=== ミクログリアの初代培養  ===
18

回編集