「到達運動」の版間の差分

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====SLF-Iによって結ばれる領域====
====SLF-Iによって結ばれる領域====
上頭頂小葉と背側運動前野(運動前野背側部)は、SLF-Iを経由した結合が見られる。いずれも、方向に選択性を示す到達運動ニューロンが記録される。特に、上頭頂小葉では、頭頂間溝の前壁後方部分のMIPやその背側の表面に出ている5野(PE)、さらに頭頂後頭溝の前壁にあるV6A、頭頂葉の内側壁にあるPGmなど複数の領域がある。
上頭頂小葉と背側運動前野(運動前野背側部)は、SLF-Iを経由した結合が見られる。いずれも、方向に選択性を示す到達運動ニューロンが記録される。特に、上頭頂小葉では、頭頂間溝の前壁後方部分のMIPやその背側の表面に出ている5野(PE)、さらに頭頂後頭溝の前壁にあるV6A、頭頂葉の内側壁にあるPGmなど複数の領域がある。
=====''MIP''=====
この領域はParietal reach region (PRR)とも呼ばれ、主に眼球中心座標系でのターゲットの位置や運動の方向が表現されている(Cohen & Andersen, 2002)。サッケード運動に関わるLIPとの結合が強く、眼球運動と到達運動の協調的な制御(eye-hand coordination)が行われていると考えられる。空間情報が提示された後に、そのターゲットに向かってサッケードか到達運動を選択するような課題を行わせると、LIPはサッケードに先行し、MIPは到達運動に先行する活動がそれぞれ見られたため、運動の準備や意図に関すると考えられている(Andersen & Buneo, 2002)。
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