「嗅内野」の版間の差分

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== 結合  ==
== 結合  ==


嗅内野の浅層から海馬体(hippocampal formation)へ投射される軸策繊維を[[貫通繊維]](perforant path)と呼ぶ<ref><pubmed> 17765711</pubmed></ref>。貫通繊維の内、第2層から投射されるものは主に[[歯状回]](dentate gyrus)と[[CA3]]領域に、第3層から投射されるものは[[CA1]]領域と海馬台にそれぞれ結合する。嗅内野の浅層が海馬体に入力信号を与える一方で、嗅内野の深層(第5層)は海馬体の海馬台とCA1領域からの出力を受け取る。嗅内野と皮質の主な結合については、サルの場合は[[海馬傍皮質]]と[[脳梁膨大後部皮質]](retrosplenial cortex)からの入力が尾側に、嗅周野からの入力が吻側に与えられる。ラットでは[[梨状皮質]](piriform cortex)からの入力が嗅内野全体で最も強い。梨状皮質は嗅覚に関わる。梨状皮質に次いでは、嗅内野の外側領域では主に[[嗅周野]]と[[島皮質]](insular cortex)、そして前頭皮質(frontal cortex)から、内側領域では[[帯状皮質]](cingulate cortex)や後部視覚野からの入力が見られる。これら皮質からの入力は嗅内野の浅層に届き、嗅内野から皮質領域に対する出力は深層より投射される。  
嗅内野の浅層から海馬体(hippocampal formation)へ投射される軸策繊維を[[貫通繊維]](perforant path)と呼ぶ<ref><pubmed> 17765711</pubmed></ref>。貫通繊維の内、第2層から投射されるものは主に[[歯状回]](dentate gyrus)と[[CA3]]領域に、第3層から投射されるものは[[CA1]]領域と海馬台にそれぞれ結合する。嗅内野の浅層が海馬体に入力信号を与える一方で、嗅内野の深層(第5層)は海馬体の海馬台とCA1領域からの出力を受け取る。嗅内野と皮質の主な結合については、サルの場合は[[海馬傍皮質]]と[[脳梁膨大後部皮質]](retrosplenial cortex)からの入力が尾側に、嗅周野からの入力が吻側に与えられる。げっ歯類では[[梨状皮質]](piriform cortex)からの入力が嗅内野全体で最も強い。梨状皮質は嗅覚に関わる。梨状皮質に次いでは、嗅内野の外側領域では主に[[嗅周野]]と[[島皮質]](insular cortex)、そして前頭皮質(frontal cortex)から、内側領域では[[帯状皮質]](cingulate cortex)や後部視覚野からの入力が見られる。これら皮質からの入力は嗅内野の浅層に届き、嗅内野から皮質領域に対する出力は深層より投射される。  


== 機能  ==
== 機能  ==
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同義語:嗅内皮質  
同義語:嗅内皮質  


関連語:嗅周野、内側側頭葉
関連語:28野、嗅周野、内側側頭葉


(執筆者:納家 勇治、担当編集委員:岡本 仁)
(執筆者:納家 勇治、担当編集委員:岡本 仁)
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