「器質性精神障害」の版間の差分

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 一方、行政用語としては、「高次脳機能障害」という用語が平成13年から17年度に行われた高次脳機能障害支援モデル事業において策定され、「頭部外傷、脳血管障害などによる脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、[[遂行機能]]障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害である。」と定められている。これは行政用語であるので、病名とは言えないものであるが、概念としては器質性精神障害の一部を含むものとなっている。
 一方、行政用語としては、「高次脳機能障害」という用語が平成13年から17年度に行われた高次脳機能障害支援モデル事業において策定され、「頭部外傷、脳血管障害などによる脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、[[遂行機能]]障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害である。」と定められている。これは行政用語であるので、病名とは言えないものであるが、概念としては器質性精神障害の一部を含むものとなっている。
===ICD-10===
{|class="wikitable"
|+表1. ICD-10による器質性精神障害の分類。全体は文献<ref name=ref2 />、[http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/F00-F99.html 標準病名マスター作業班によるICD階層病名ブラウザ]などを参照。
|-
|rowspan=38|F0 症状性を含む器質性精神障害||rowspan=4|F00 [[アルツハイマー病]]の[[認知症]]||F00.0 アルツハイマー病の認知症,早発性
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|F00.1 アルツハイマー病の認知症,晩発性
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|F00.2 アルツハイマー病の認知症,非定型又は混合型
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|F00.9 アルツハイマー病の認知症,詳細不明
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|rowspan=6|F01 [[血管性認知症]]||F01.0 急性発症の血管性認知症
|-
|F01.1 多発梗塞性認知症
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|F01.2 皮質下血管性認知症
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|F01.3 皮質及び皮質下混合性血管性認知症
|-
|F01.8 その他の血管性認知症
|-
|F01.9 血管性認知症,詳細不明
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|rowspan=6|F02 他に分類されるその他の疾患の認知症||F02.0 ピック病の認知症
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|F02.1 クロイツフェルト・ヤコブ病の認知症
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|F02.2 ハンチントン病の認知症
|-
|F02.3 パーキンソン病の認知症
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|F02.4 ヒト免疫不全ウイルス[HIV]病の認知症
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|F02.8 他に分類されるその他の明示された疾患の認知症
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|colspan=2|F03 詳細不明の認知症
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|colspan=2|F04 [[器質性健忘症候群]],[[アルコール]]その他の精神作用物質によらないもの
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|rowspan=4|F05 [[せん妄]],アルコールその他の精神作用物質によらないもの||F05.0 せん妄,認知症に重ならないもの
|-
|F05.1 せん妄,認知症に重なったもの
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|F05.8 その他のせん妄
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|F05.9 せん妄,詳細不明
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|rowspan=10|F06 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の精神障害||F06.0 器質性幻覚症
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|F06.1 器質性緊張病性障害
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|F06.2 器質性妄想性[統合失調症様]障害
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|F06.3 器質性気分[感情]障害
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|F06.4 器質性不安障害
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|F06.5 器質性解離性障害
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|F06.6 器質性情緒不安定性[無力性]障害
|-
|F06.7 軽症認知障害
|-
|F06.8 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の明示された精神障害
|-
|F06.9 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患による詳細不明の精神障害
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|rowspan=5|F07 脳の疾患,損傷及び機能不全による人格及び行動の障害||F07.0 器質性人格障害
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|F07.1 脳炎後症候群
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|F07.2 脳振とう<盪>後症候群
|-
|F07.8 脳の疾患,損傷及び機能不全によるその他の器質性の人格及び行動の障害
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|F07.9 脳の疾患,損傷及び機能不全による器質性の人格及び行動の障害,詳細不明
|-
|colspan=2|F09 詳細不明の器質性又は症状性精神障害
|}


== 現在の疾病分類の問題点 ==
== 現在の疾病分類の問題点 ==