「器質性精神障害」の版間の差分

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 内因性精神病の症候学的検討の歴史が長いため、これらの概念を援用して器質性精神障害についても分類が行われているわけではあるが、論理的にはおかしな状況と言わざるをえないだろう。
 内因性精神病の症候学的検討の歴史が長いため、これらの概念を援用して器質性精神障害についても分類が行われているわけではあるが、論理的にはおかしな状況と言わざるをえないだろう。
====高次脳機能障害====
 一方、行政用語としては、「[[高次脳機能障害]]」という用語が平成13年から17年度に行われた高次脳機能障害支援モデル事業において策定され、「頭部外傷、脳血管障害などによる脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害である。」と定められている。これは行政用語であるので、病名とは言えないものであるが、概念としては器質性精神障害の一部を含むものとなっている。


==特徴 ==
==特徴 ==
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 一方で、びまん性軸索損傷は、回転によって生じる剪断力のために、[[白質]]の[[軸索]]が損傷をうける。多くの場合、深部白質や[[脳梁]]を中心とした損傷を生じ、損傷後数年の間に、[[脳萎縮]]が進行する。灰白質の萎縮も、主に中心構造に生じるようである。これら外傷性精神障害の二型は、いずれのタイプも特徴的な脳損傷部位を有しており、その意味で、結果として生じる精神障害も症候群としての特徴を有するものであることが想定されている。
 一方で、びまん性軸索損傷は、回転によって生じる剪断力のために、[[白質]]の[[軸索]]が損傷をうける。多くの場合、深部白質や[[脳梁]]を中心とした損傷を生じ、損傷後数年の間に、[[脳萎縮]]が進行する。灰白質の萎縮も、主に中心構造に生じるようである。これら外傷性精神障害の二型は、いずれのタイプも特徴的な脳損傷部位を有しており、その意味で、結果として生じる精神障害も症候群としての特徴を有するものであることが想定されている。
== 行政用語としての「高次脳機能障害」 ==
 行政用語としては、「[[高次脳機能障害]]」という用語が平成13年から17年度に行われた高次脳機能障害支援モデル事業において策定され、「頭部外傷、脳血管障害などによる脳の損傷の後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、これに起因して、日常生活・社会生活への適応が困難となる障害である。」と定められている。これは行政用語であるので、病名とは言えないものであるが、概念としては器質性精神障害の一部を含むものとなっている。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==