「嚥下障害」の版間の差分

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実際の食物嚥下は、4期モデルとプロセスモデルの複合で行われる。
実際の食物嚥下は、4期モデルとプロセスモデルの複合で行われる。
===摂食嚥下の神経機構・嚥下関連筋===
===摂食嚥下の神経機構・嚥下関連筋===
嚥下運動の誘発には中枢性嚥下と末梢性嚥下の2種類がある。
 嚥下運動の誘発には中枢性嚥下と末梢性嚥下の2種類がある。
中枢性嚥下(運動野・島):随意性中枢→CPG(嚥下反射中枢)→嚥下運動
中枢性嚥下(運動野・島):随意性中枢 → CPG(嚥下反射中枢)→ 嚥下運動
末梢性嚥下:反射性中枢→CPG→嚥下運動
末梢性嚥下:反射性中枢 → CPG → 嚥下運動
CPG:central pattern generator(延髄の嚥下パターン形成器)
 CPG:central pattern generator(延髄の嚥下パターン形成器)
脳幹の嚥下(反射)中枢では 咀嚼・嚥下・咳・呼吸の中枢が協調している
 
入力系:口腔・舌・咽頭・喉頭の感覚(味覚・触覚) 
 脳幹の嚥下(反射)中枢では 咀嚼・嚥下・咳・呼吸の中枢が協調している。
   嚥下関連筋 ・咀嚼筋・呼吸筋の固有覚 
入力系:口腔・舌・咽頭・喉頭の感覚(味覚・触覚) 
出力系:嚥下関連筋活動
    嚥下関連筋 ・咀嚼筋・呼吸筋の固有覚 
おもな嚥下関連筋としては以下のものがある。
出力系:嚥下関連筋活動
表情筋群(顔面神経支配)
 おもな嚥下関連筋としては以下のものがある('''表''')。
大頬骨筋・小頬骨筋・上唇挙筋・上唇鼻翼挙筋・口角挙筋・口角下制筋・
 
下唇下制筋・オトガイ筋・笑筋・頬筋・口輪筋など
{| class="wikitable"
咀嚼筋群(三叉神経支配)
|+表. 主な嚥下関連筋とその神経支配
咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋
|-
舌筋群(舌下神経支配)
|'''表情筋群(顔面神経支配)'''
外舌筋:オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋
 大頬骨筋・小頬骨筋・上唇挙筋・上唇鼻翼挙筋・口角挙筋・口角下制筋・下唇下制筋・オトガイ筋・笑筋・頬筋・口輪筋など
内舌筋:上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋
|-
舌骨上筋群
|'''咀嚼筋群(三叉神経支配)'''
茎突舌骨筋 (顔面神経支配)・ 顎二腹筋(前腹:三叉神経支配、後腹:顔面神経支配)
 咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋
顎舌骨筋(三叉神経支配)・オトガイ舌骨筋(舌下神経支配)
|-
舌骨下筋群(頸神経ワナ支配)
|'''舌筋群(舌下神経支配)'''
胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・胸骨甲状筋 ・甲状舌骨筋  
 外舌筋:オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋
軟口蓋の筋群
 内舌筋:上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋
口蓋帆張筋 (三叉神経支配)
|-
口蓋帆挙筋(舌咽神経支配)
|'''舌骨上筋群'''
咽頭の筋群
 茎突舌骨筋 (顔面神経支配)・ 顎二腹筋(前腹:三叉神経支配、後腹:顔面神経支配)・顎舌骨筋(三叉神経支配)・オトガイ舌骨筋(舌下神経支配)
上咽頭収縮筋・中咽頭収縮筋 ・下咽頭収縮筋(舌咽神経・迷走神経支配)
|-
茎突咽頭筋(舌咽神経支配)
|'''舌骨下筋群(頸神経ワナ支配)'''
などがある。
 胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・胸骨甲状筋 ・甲状舌骨筋  
|-
|'''軟口蓋の筋群'''
 口蓋帆張筋 (三叉神経支配)・口蓋帆挙筋(舌咽神経支配)
|-
|'''咽頭の筋群'''
 上咽頭収縮筋・中咽頭収縮筋 ・下咽頭収縮筋(舌咽神経・迷走神経支配)・茎突咽頭筋(舌咽神経支配)
|}


==診断・評価==
==診断・評価==