「妄想」の版間の差分

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 DSM-IIIからDSM-IV-TRまで、奇異な妄想は、統合失調症の特徴的症状Aのうち1つあれば十分なものに含まれていた。だがDSM-5では、これらの症状が他の症状に比べて診断特異性が高いことは確認されていないという理由を挙げ、「1つあれば統合失調症と診断してよい」という扱いが廃止されている。これによって、「奇異な妄想」(およびSchneiderの1級症状)は、DSMの診断基準から姿を消した。
 DSM-IIIからDSM-IV-TRまで、奇異な妄想は、統合失調症の特徴的症状Aのうち1つあれば十分なものに含まれていた。だがDSM-5では、これらの症状が他の症状に比べて診断特異性が高いことは確認されていないという理由を挙げ、「1つあれば統合失調症と診断してよい」という扱いが廃止されている。これによって、「奇異な妄想」(およびSchneiderの1級症状)は、DSMの診断基準から姿を消した。


 ICD-10では「奇異な妄想」という語は用いられていないが、統合失調症の全般基準(1)(d)「文化的に不適切でまったくありえない持続的妄想」は、DSMによる奇異な妄想の定義に一致する。ただし、考想伝播、考想吹入、考想奪取など考想被影響体験は(1)(a)に、またこれ以外の被影響体験(被支配妄想、被影響妄想など)は(1)(b)に含められており、DSMとは異なり、自我障害を「奇異な妄想」として一括りにせず、1項目以上あれば統合失調症と診断し得るものしている。
 ICD-10では「奇異な妄想」という語は用いられていないが、統合失調症の全般基準(1)(d)「文化的に不適切でまったくありえない持続的妄想」は、DSMによる奇異な妄想の定義に一致する。ただし、考想伝播、考想吹入、考想奪取など考想被影響体験は(1)(a)に、またこれ以外の被影響体験(被支配妄想、被影響妄想など)は(1)(b)に含められており、DSMとは異なり、自我障害を「奇異な妄想」として一括りにせず、1項目以上あれば統合失調症と診断し得るものとしている。


==関連項目==
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