「小胞体ストレス」の版間の差分

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[[Image:図3. ポリグルタミン病.jpg|thumb|right|250px|'''図3. ポリグルタミン病''']]  
[[Image:図3. ポリグルタミン病.jpg|thumb|right|250px|'''図3. ポリグルタミン病''']]  


 [[ポリグルタミン病]]は、原因遺伝子の翻訳領域内にあるポリグルタミンをコードする[[CAGリピート]]が異常に伸張することによって発症する一群の優性遺伝神経変性疾患である。この中には[[ハンチントン舞踏病]]、[[球脊髄性筋萎縮症]]、[[Machado-Joseph病]]、[[脊髄小脳変性症]]などが含まれる。ポリグルタミンを培養細胞に強制発現させると、細胞質内に凝集し始める。過剰なポリグルタミンを分解するために[[プロテアソーム]]が活性化するが、大量のポリグルタミンの処理に伴ってプロテアソーム活性が減弱し、結果的に小胞体ストレス応答に必要なERADが障害され小胞体ストレスが惹起される<ref><pubmed> 12050113 </pubmed></ref>。ERADが障害されて細胞死に至る過程にはIRE1-TRAF2-Ask1-JNK経路が関わり、[[Ask1]]をノックアウトした細胞ではポリグルタミンによる細胞死が抑制される。
 [[ポリグルタミン病]]は、原因遺伝子の翻訳領域内にあるポリグルタミンをコードする[[CAGリピート]]が異常に伸張することによって発症する一群の優性遺伝神経変性疾患である。この中には[[ハンチントン舞踏病]]、[[球脊髄性筋萎縮症]]、[[Machado-Joseph病]]、[[脊髄小脳変性症]]などが含まれる。ポリグルタミンを培養細胞に強制発現させると、細胞質内に凝集し始める。過剰なポリグルタミンを分解するために[[プロテアソーム]]が活性化するが、大量のポリグルタミンの処理に伴ってプロテアソーム活性が減弱し、結果的に小胞体ストレス応答に必要なERADが障害され小胞体ストレスが惹起される<ref><pubmed> 12050113 </pubmed></ref>。ERADが障害されて細胞死に至る過程にはIRE1-[[wikipedia:TRAF2|TRAF2]]-[[wikipedia:Ask1|Ask1]]-[[wikipedia:JNK|JNK]]経路が関わり、Ask1をノックアウトした細胞ではポリグルタミンによる細胞死が抑制される。


=== アルツハイマー病 ===
=== アルツハイマー病 ===