「後悔回避」の版間の差分

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 一方、[[予期的後悔]](anticipated regret)とは、意思決定場面において、未来の結果についてのメンタルシミュレーションを行い、選択肢間の比較をすることによって生じる。たとえば、これからある選択をおこなったとして、将来失敗したときに、その選択をどの程度後悔するか(たとえば、行動して失敗したときに、「行動しなければ良かった」とどの程度ネガティブに感じるかどうか)を予測し、比較判断する。こうした仮想的比較によって、後悔を回避するように意思決定を行うことが、後悔回避である<ref name=ref1><pubmed>7740094</pubmed></ref>。
 一方、[[予期的後悔]](anticipated regret)とは、意思決定場面において、未来の結果についてのメンタルシミュレーションを行い、選択肢間の比較をすることによって生じる。たとえば、これからある選択をおこなったとして、将来失敗したときに、その選択をどの程度後悔するか(たとえば、行動して失敗したときに、「行動しなければ良かった」とどの程度ネガティブに感じるかどうか)を予測し、比較判断する。こうした仮想的比較によって、後悔を回避するように意思決定を行うことが、後悔回避である<ref name=ref1><pubmed>7740094</pubmed></ref>。


 後悔は、[[自責感]](self-blame)と、「もう一度決定をやり直したい」という欲求に特徴づけられる。一方、[[失望]](disappointment)や[[悲しみ]]、[[フラストレーション]]は、後悔と同様に悪い結果に伴って生じるネガティブな感情ではあるが、[[期待]]や[[要求水準]](aspiration level)との対比にとどまり、欲求を引き起こさない点が後悔とは異なる(例:がっかりした、期待はずれだった<ref name=ref2><pubmed>9719654</pubmed></ref>。
 後悔は、[[自責感]](self-blame)と、「もう一度決定をやり直したい」という欲求に特徴づけられる。一方、[[失望]](disappointment)や[[悲しみ]]、[[フラストレーション]]は、後悔と同様に悪い結果に伴って生じるネガティブな感情ではあるが、[[期待]]や[[要求水準]](aspiration level)との対比にとどまり、欲求を引き起こさない点が後悔とは異なる(例:がっかりした、期待はずれだった)<ref name=ref2><pubmed>9719654</pubmed></ref>。


==心理学研究、行動経済学研究==
==心理学研究、行動経済学研究==