「心身症」の版間の差分

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 といったものである。遺伝性の要因はなく、仕事面での出世や昇給などの報酬により後天的に強化された行動様式であると考えられている。こうしたタイプA行動は、[[交感神経機能]]の亢進、[[副交感神経|副交感]]の低下が積み重なり、脂質代謝異常、心拍数・血圧上昇、心筋酸素消費量の増加、血液凝固能上昇、血管れん縮などのリスクが高まり、虚血性心疾患の発症につながると考えられる。なお、「タイプB」とは、タイプAの対極として設定されたもので、感情を素直に表現でき、リラックスしてうまく付き合える性格である。
 といったものである。遺伝性の要因はなく、仕事面での出世や昇給などの報酬により後天的に強化された行動様式であると考えられている。こうしたタイプA行動は、[[交感神経機能]]の亢進、[[副交感神経|副交感]]の低下が積み重なり、脂質代謝異常、心拍数・血圧上昇、心筋酸素消費量の増加、血液凝固能上昇、血管れん縮などのリスクが高まり、虚血性心疾患の発症につながると考えられる。なお、「タイプB」とは、タイプAの対極として設定されたもので、感情を素直に表現でき、リラックスしてうまく付き合える性格である。


====タイプC <ref><pubmed> 18346864 </pubmed></ref>====
====タイプC性格行動パターン====
 Temoshok <ref><pubmed> 4009515 </pubmed></ref>は、[[wj:メラノーマ|メラノーマ]]([[wj:|悪性黒色腫]])患者を150人以上面接し、彼らの4分の3に共通の性格的特徴を抽出した。それによると、怒り(や他のネガティブな感情、不安、恐れ、悲しみなど)の感情に気づかず表出しない、仕事や人づきあい、家族関係において、忍耐強く、控えめで、協力的で譲歩を厭わない。権威に対し従順で、他人の要求を満たそうと気をつかいすぎ、自分の要求は十分に満たそうとせず、極端に自己犠牲的になることが多い。いわゆる「いい人」タイプである。素直な感情を心の奥で[[抑圧]]しているために、ストレスがたまり、それが免疫防衛機能に影響し、ガンへのリスクを高めると考えられている。ただし、このメラノーマやがんに真に「特異的な」性格傾向かどうかは不明である。
 Temoshok  <ref><pubmed> 18346864 </pubmed></ref><ref><pubmed> 4009515 </pubmed></ref>は、[[wj:メラノーマ|メラノーマ]]([[wj:|悪性黒色腫]])患者を150人以上面接し、彼らの4分の3に共通の性格的特徴を抽出した。それによると、怒り(や他のネガティブな感情、不安、恐れ、悲しみなど)の感情に気づかず表出しない、仕事や人づきあい、家族関係において、忍耐強く、控えめで、協力的で譲歩を厭わない。権威に対し従順で、他人の要求を満たそうと気をつかいすぎ、自分の要求は十分に満たそうとせず、極端に自己犠牲的になることが多い。いわゆる「いい人」タイプである。素直な感情を心の奥で[[抑圧]]しているために、ストレスがたまり、それが免疫防衛機能に影響し、ガンへのリスクを高めると考えられている。ただし、このメラノーマやがんに真に「特異的な」性格傾向かどうかは不明である。


===脳と身体をつなぐルート===
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