「摂食制御の神経回路」の版間の差分

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==== 背側縫線核 ====  
==== 背側縫線核 ====  


 背側縫線核は、摂食行動に関連する部位では眼窩前頭皮質、弓状核、腹内側核、外側野、腹側被蓋野に投射している。背側縫線核に代表される[[セロトニン神経]]も摂食や体重制御に関与しており、その主な作用は弓状核の[[セロトニン2B, 2C受容体]]を介した摂食行動の抑制である。[[非定形抗精神病薬]]である[[オランザピン]]や[[クエチアピン]]はセロトニン2B, 2C受容体阻害作用があるため、副作用として摂食量増加、肥満を生じる。背側縫線核にはレプチン受容体も豊富に発現しており、セロトニン神経のみでレプチン受容体の発現を無くすと、レプチン受容体欠損マウスと同様の著しい肥満を呈することから、レプチンによる摂食・体重制御の主な標的がセロトニン神経であるという報告もある。この場合、セロトニン神経は弓状核の[[セロトニン1A]], 2B受容体を介して摂食行動を抑制するという<ref><pubmed> 19737523 </pubmed></ref>。  
 背側縫線核は、摂食行動に関連する部位では眼窩前頭皮質、弓状核、腹内側核、外側野、腹側被蓋野に投射している。背側縫線核に代表される[[セロトニン神経]]も摂食や体重制御に関与しており、その主な作用は弓状核の[[セロトニン#5-HT2受容体|5-HT2B, 2C受容体]]を介した摂食行動の抑制である。[[非定形抗精神病薬]]である[[オランザピン]]や[[クエチアピン]]はセロトニン2B, 2C受容体阻害作用があるため、副作用として摂食量増加、肥満を生じる。背側縫線核にはレプチン受容体も豊富に発現しており、セロトニン神経のみでレプチン受容体の発現を無くすと、レプチン受容体欠損マウスと同様の著しい肥満を呈することから、レプチンによる摂食・体重制御の主な標的がセロトニン神経であるという報告もある。この場合、セロトニン神経は弓状核の[[セロトニン#5-HT1受容体|セロトニン1A]], 2B受容体を介して摂食行動を抑制するという<ref><pubmed> 19737523 </pubmed></ref>。


==== 結合腕傍核 ====  
==== 結合腕傍核 ====