「標的認識」の版間の差分

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[[Image:辞典03.jpg|thumb|250px|'''図3 標的認識の特異性'''<br>神経系において皮質構造をなすところXやYがあり、また、核構造をなすZがあるとする。その中のYに投射しX、Zには投射しない軸索は神経系の様々なところから来るとする(A、B、C)。そして、この線維はYの中のある特定の細胞(薄緑色の細胞群)にシナプスを形成し、その場合、Aは樹状突起の遠位側に、Bは樹状突起の近位側に、Cは細胞体にそれぞれシナプスを形成するとする。こういった場合、それぞれの過程で特異的な標的認識が必要となる。]]
[[Image:辞典03.jpg|thumb|250px|'''図3 標的認識の特異性'''<br>神経系において皮質構造をなすところXやYがあり、また、核構造をなすZがあるとする。その中のYに投射しX、Zには投射しない軸索は神経系の様々なところから来るとする(A、B、C)。そして、この線維はYの中のある特定の細胞(薄緑色の細胞群)にシナプスを形成し、その場合、Aは樹状突起の遠位側に、Bは樹状突起の近位側に、Cは細胞体にそれぞれシナプスを形成するとする。こういった場合、それぞれの過程で特異的な標的認識が必要となる。]]


== 特にシナプス形成における特異性とそれをサポートする分子 ==
==シナプス形成の特異性とその分子機構==
   
   
 シナプス形成をはじめとする標的認識においては2つのレベルでの特異性が必要となる。神経細胞が機能を果たすには、ある神経細胞は特異的な神経細胞と結合し、神経回路を形成する必要があり(例えば、下オリーブ核の線維はプルキンエ細胞に、[[橋核]]の線維は[[顆粒細胞]]に、顆粒細胞の線維はプルキンエ細胞に)、このレベルでの標的認識の特異性(細胞種のレベル)がまず必要となる。
 シナプス形成をはじめとする標的認識においては2つのレベルでの特異性が必要となる。神経細胞が機能を果たすには、ある神経細胞は特異的な神経細胞と結合し、神経回路を形成する必要があり(例えば、下オリーブ核の線維はプルキンエ細胞に、[[橋核]]の線維は[[顆粒細胞]]に、顆粒細胞の線維はプルキンエ細胞に)、このレベルでの標的認識の特異性(細胞種のレベル)がまず必要となる。