「機能獲得実験」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
 
(他の1人の利用者による、間の7版が非表示)
2行目: 2行目:
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0204069 平林 敬浩]、[http://researchmap.jp/read0076409 八木 健]</font><br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0204069 平林 敬浩]、[http://researchmap.jp/read0076409 八木 健]</font><br>
''大阪大学 大学院生命機能研究科''<br>
''大阪大学 大学院生命機能研究科''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年2月12日 原稿完成日:2013年月日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2013年2月12日 原稿完成日:2016年5月2日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0080380 上口 裕之](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>         
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0080380 上口 裕之](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>         
</div>
</div>
50行目: 50行目:
=== 阻害ドメインの欠失 ===
=== 阻害ドメインの欠失 ===


[[Image:機能獲得実験図2.jpg|thumb|300px|'''図2.発現量を増加させる外来遺伝子の構造''']]
[[Image:機能獲得実験図2.jpg|thumb|300px|'''図2.(A) CaMKIIの構造 AID:自己抑制ドメイン、CaM-BD:Ca2+/カルモジュリン結合ドメイン (B)  CaMKIIの活性化 (C) 活性化型CaMKII ]]


 ある種の酵素はそのタンパク質内に自身の活性を抑制する自己阻害ドメイン (autoinhibitory domain)を持ち、酵素活性の制御をしている。
 ある種の酵素はそのタンパク質内に自身の活性を抑制する自己阻害ドメイン (autoinhibitory domain)を持ち、酵素活性の制御をしている。
カルシウムカルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII (CaMKII)はキナーゼドメイン、自己抑制ドメインとCa2+/カルモジュリン結合ドメインで構成される調節ドメインからなり(図2A)、カルシウムカルモジュリン (Ca2+/CaM)複合体の非存在下では、自己抑制ドメイン(autoinhibitory domain)により活性が抑制されている。Ca2+/カルモジュリン結合ドメインにCa2+/カルモジュリンが結合するとタンパク質立体構造が変化し、自己抑制が解除されて活性化する(図2B)<ref><pubmed> 21884935 </pubmed></ref>。
カルシウムカルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII (CaMKII)はキナーゼドメイン、自己阻害ドメイン (AID)とCa2+/カルモジュリン結合ドメイン (CaM-BD)で構成される調節ドメインからなり(図2A)、カルシウムカルモジュリン (Ca2+/CaM)複合体の非存在下では、自己抑制ドメイン(autoinhibitory domain)により活性が抑制されている。Ca2+/カルモジュリン結合ドメインにCa2+/カルモジュリンが結合するとタンパク質立体構造が変化し、自己抑制が解除されて活性化する(図2B)<ref><pubmed> 21884935 </pubmed></ref>。このように目的のタンパク質が持つ自己阻害ドメインにより活性制御されている場合、阻害ドメインを欠失したタンパク質は恒常的に活性化している(図2C)<ref><pubmed> 1651329 </pubmed></ref>。
 


<ref><pubmed> 1651329 </pubmed></ref>
   
   


案内メニュー