「無意識」の版間の差分

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== 内容の無意識性/関係性の無意識性/過程の無意識性 ==
== 内容の無意識性/関係性の無意識性/過程の無意識性 ==


 気づき(awareness)を心理物理学的に計測するときには[[閾値]]が使われることが多いが、[[閾下知覚]](subliminal [[perception]])や[[盲視]]([[blindsight]])のような現象に見られるように、意識にのぼらなかったコンテンツ(内容)の影響が、行動や他の判断などに現れることがある<ref name=ref5>'''下條信輔'''<br>『サブリミナル・マインド—潜在的人間観のゆくえ』<br>''中央公論社''、1996</ref>。この場合無意識的なのは刺激の内容ということになるが、多くの場合気づかれなかった内容が、行動に判断に影響を与えているという関係性にも、またそれが「なぜ/どのように」影響を与えているのかというプロセス(過程)も意識されず、主に判断や行動の結果のみが意識上に存在することが多い。日常生活における多くの複雑な判断(感性判断・好みの判断など)においては、内容の無意識性よりも、関係性・過程の無意識性のに関連する現象が多く存在する<ref name=ref6>'''Nisbett, R. & Wilson, T.'''<br>Telling More than we can Know: Verbal reports on mental processes.<br>''Psychological Review'' 84, 231-259. 1977</ref>。
 気づき(awareness)を心理物理学的に計測するときには[[閾値]]が使われることが多いが、[[閾下知覚]](subliminal [[perception]])や[[盲視]]([[blindsight]])のような現象に見られるように、意識にのぼらなかったコンテンツ(内容)の影響が、行動や他の判断などに現れることがある<ref name=ref5>'''下條信輔''', 『サブリミナル・マインド—潜在的人間観のゆくえ』, ''中央公論社'', 1996</ref>。この場合無意識的なのは刺激の内容ということになるが、多くの場合、気づかれなかった内容が行動に判断に影響を与えているという関係性にも、またそれが「なぜ/どのように」影響を与えているのかというプロセス(過程)も意識されず、主に判断や行動の結果のみが意識上に現れる事態も多い。日常生活における多くの複雑な判断(感性判断・好みの判断など)においては、内容の無意識性よりも、関係性・過程の無意識性に関連する現象が多く存在する<ref name=ref6>'''Nisbett, R. & Wilson, T.''' Telling More than we can Know: Verbal reports on mental processes.''Psychological Review'', 84, 231-259. 1977</ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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