「ヒスタミン」の版間の差分

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 H1受容体、H2受容体を介した機能としては、[[睡眠]]・[[覚醒]]<ref><pubmed>21318261</pubmed></ref>[33]、[[学習記憶]]<ref><pubmed>28838882</pubmed></ref>[34]、[[食欲調節]]<ref><pubmed>16584790</pubmed></ref>[35]などがある。これらの機能を担う神経回路の特定のニューロンに、H1受容体、あるいはH2受容体が発現していて、ヒスタミンが作用することによりニューロン活動を調節(modulate)していると考えられる。
 H1受容体、H2受容体を介した機能としては、[[睡眠]]・[[覚醒]]<ref><pubmed>21318261</pubmed></ref>[33]、[[学習記憶]]<ref><pubmed>28838882</pubmed></ref>[34]、[[食欲調節]]<ref><pubmed>16584790</pubmed></ref>[35]などがある。これらの機能を担う神経回路の特定のニューロンに、H1受容体、あるいはH2受容体が発現していて、ヒスタミンが作用することによりニューロン活動を調節(modulate)していると考えられる。


 H3受容体を介した機能としては、各種伝達物質の遊離調節によるものが考えられる。H3受容体がもともとconstitutive activityが高い受容体であることを考えると、正常時は脳全般の活動を大まかに調節していると考えてよい。むしろ、H3受容体拮抗薬(インバースアゴニスト)の作用が重要であり、各種伝達物質の遊離量を増やすことで、種々の病態の改善が期待できる<ref><pubmed>21414671</pubmed></ref><ref><pubmed> 23109919</pubmed></ref>[36,37]。
 H3受容体を介した機能としては、各種伝達物質の遊離調節によるものが考えられる。H3受容体がもともとconstitutive activityが高い受容体であることを考えると、正常時は脳全般の活動を大まかに調節していると考えてよい。むしろ、H3受容体拮抗薬(インバースアゴニスト)の作用が重要であり、各種伝達物質の遊離量を増やすことで、種々の病態の改善が期待できる<ref name=Leurs2011><pubmed>21414671</pubmed></ref><ref><pubmed> 23109919</pubmed></ref>[36,37]。


== 精神疾患との関連 ==
== 精神疾患との関連 ==