「ヒスタミン」の版間の差分

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== 精神疾患との関連 ==
== 精神疾患との関連 ==
 パーキンソン病患者では、黒質、被殻、淡蒼球でヒスタミンレベルが顕著に増加している[38]。H3受容体に作用してドパミン遊離低下が起こっている可能性がある。統合失調症患者の前頭前皮質、帯状回のH1受容体量が減少している[39,40]。アルツハイマー病患者では、前頭葉、側頭葉でヒスタミンレベルが低下している[41]。
 [[パーキンソン病]]患者では、黒質、[[被殻]]、[[淡蒼球]]でヒスタミンレベルが顕著に増加している<ref><pubmed>12065607</pubmed></ref>[38]。H3受容体に作用してドパミン遊離低下が起こっている可能性がある。統合失調症患者の前頭前皮質、[[帯状回]]のH1受容体量が減少している<ref><pubmed>1912125</pubmed></ref><ref><pubmed>15695063</pubmed></ref>[39,40]。アルツハイマー病患者では、前頭葉、側頭葉でヒスタミンレベルが低下している<ref><pubmed>10974435</pubmed></ref>[41]。


 H3受容体は各種の神経系のシナプス前膜に存在し、ヒスタミンの他、アセチルコリン、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン、グルタミン酸、GABAの遊離を抑制する。H3拮抗薬は、これらの抑制を解除し遊離量を増やすため、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、統合失調症、多発性硬化症の治療薬となる可能性がある[36,37,42]。
 H3受容体は各種の神経系のシナプス前膜に存在し、ヒスタミンの他、アセチルコリン、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン、グルタミン酸、GABAの遊離を抑制する。H3拮抗薬は、これらの抑制を解除し遊離量を増やすため、[[アルツハイマー病]]、[[注意欠陥・多動性障害]](ADHD)、統合失調症、多発性硬化症の治療薬となる可能性がある<ref name=Leurs2011/><ref name=Vohora2012/><ref><pubmed>10974435</pubmed></ref>[36,37,42]。


 ヒスタミンは動揺病(乗り物酔い)の原因となる。空間認知の情報処理における齟齬からヒスタミンニューロンが活性化され、嘔吐中枢のH1受容体を活性化することによる。
 ヒスタミンは動揺病(乗り物酔い)の原因となる。空間認知の情報処理における齟齬からヒスタミンニューロンが活性化され、嘔吐中枢のH1受容体を活性化することによる。


 てんかん発作に対しては、ヒスタミンがH1受容体を介して抑制すること、H3拮抗薬が抑制すること、逆にH1拮抗薬は発作を悪化させること等が考えられているが、まだ確定していない[43]。
 てんかん発作に対しては、ヒスタミンがH1受容体を介して抑制すること、H3拮抗薬が抑制すること、逆にH1拮抗薬は発作を悪化させること等が考えられているが、まだ確定していない<ref><pubmed>22758607</pubmed></ref>[43]。


==関連項目==
==関連項目==

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