「ヒスタミン」の版間の差分

編集の要約なし
53行目: 53行目:
 Gi/oを介してアデニル酸シクラーゼを抑制し、cAMP濃度を下げる。細胞内Ca濃度を上昇させる。H4受容体が中枢に存在するという確証は得られていない<ref><pubmed>25420523</pubmed></ref>[12]。末梢では、骨髄、[[好酸球]]、[[Tリンパ球]]、[[マスト細胞]]などに存在する。とくに[[免疫]]系の細胞に発現が多く見られ、炎症やアレルギーへの関与が考えられるため、抗炎症薬、抗アレルギー薬の標的分子の候補となっている。
 Gi/oを介してアデニル酸シクラーゼを抑制し、cAMP濃度を下げる。細胞内Ca濃度を上昇させる。H4受容体が中枢に存在するという確証は得られていない<ref><pubmed>25420523</pubmed></ref>[12]。末梢では、骨髄、[[好酸球]]、[[Tリンパ球]]、[[マスト細胞]]などに存在する。とくに[[免疫]]系の細胞に発現が多く見られ、炎症やアレルギーへの関与が考えられるため、抗炎症薬、抗アレルギー薬の標的分子の候補となっている。


=== 脊椎動物と無脊椎動物 ===
=== 無脊椎動物 ===
 [[無脊椎動物]]では、上記のヒスタミン受容体の存在は示されていない。一方で、[[ショウジョウバエ]]において、histamine-gated chloride channels (HisCl 1およびHisCl 2) が同定されている<ref><pubmed>11753412</pubmed></ref><ref><pubmed>11714703</pubmed></ref>[13,14]。これらは、視覚情報の伝達に重要な働きをしている<ref><pubmed>2472552</pubmed></ref>[15]。[[脊椎動物]]にこれらのチャンネルが存在するかどうかはまだ不明である<ref><pubmed>22192818</pubmed></ref>[16]。
 [[無脊椎動物]]では、上記のヒスタミン受容体の存在は示されていない。一方で、[[ショウジョウバエ]]において、histamine-gated chloride channels (HisCl 1およびHisCl 2) が同定されている<ref><pubmed>11753412</pubmed></ref><ref><pubmed>11714703</pubmed></ref>[13,14]。これらは、視覚情報の伝達に重要な働きをしている<ref><pubmed>2472552</pubmed></ref>[15]。[[脊椎動物]]にこれらのチャンネルが存在するかどうかはまだ不明である<ref><pubmed>22192818</pubmed></ref>[16]。


 脊椎動物において、ヒスタミンが[[GABAA受容体]]に作用するという報告がある<ref><pubmed>18281286</pubmed></ref>[17]。また、ヒスタミンは、[[NMDA]]受容体を、そのポリアミン結合部位に作用して活性化させる<ref><pubmed>8391168</pubmed></ref><ref><pubmed>8240807</pubmed></ref>[18,19]。
 脊椎動物において、ヒスタミンが[[GABAA受容体|GABA<sub>A</sub>受容体]]に作用するという報告がある<ref><pubmed>18281286</pubmed></ref>[17]。また、ヒスタミンは、[[NMDA]]受容体を、そのポリアミン結合部位に作用して活性化させる<ref><pubmed>8391168</pubmed></ref><ref><pubmed>8240807</pubmed></ref>[18,19]。


== リガンド、拮抗薬 ==
== リガンド、拮抗薬 ==