「レビー小体型認知症」の版間の差分

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 レビー小体型認知症で最も多い精神症状は[[有形幻視]]である。[[人物幻視]]が最も多く、次いで小動物や虫の幻視が多い。非生物の幻視は火や水に関連した幻視が多くみられる。
 レビー小体型認知症で最も多い精神症状は[[有形幻視]]である。[[人物幻視]]が最も多く、次いで小動物や虫の幻視が多い。非生物の幻視は火や水に関連した幻視が多くみられる。
==== REM睡眠行動異常症 ====
==== REM睡眠行動異常症 ====
 REM睡眠行動異常症(Rapid Eye Movement sleep behavior disorder, RBD)は、骨格筋緊張の抑制を欠く異常な[[REM睡眠]](REM sleep without atonia, RWA)を生じるため夢の精神活動が行動に表出され、大声での寝言、叫び、手足の激しい動きなどの異常行動がみられる<ref name=Chan2018><pubmed>30018672</pubmed></ref>。認知症症状や運動障害に年単位で先行することも多く、時には10数年も先行することがある。
 [[REM睡眠行動異常症]](Rapid Eye Movement sleep behavior disorder, RBD)は、骨格筋緊張の抑制を欠く異常な[[REM睡眠]](REM sleep without atonia, RWA)を生じるため夢の精神活動が行動に表出され、大声での寝言、叫び、手足の激しい動きなどの異常行動がみられる<ref name=Chan2018><pubmed>30018672</pubmed></ref>。認知症症状や運動障害に年単位で先行することも多く、時には10数年も先行することがある。
 
==== 特発性パーキンソニズム ====
==== 特発性パーキンソニズム ====
 パーキンソニズムはレビー小体型認知症に必須ではなく、ほとんどみられない場合もある。レビー小体型認知症のパーキンソニズムはパーキンソン病に比べると筋強剛と寡動、歩行障害が主体で[[振戦]]は少なく、左右差も少ない。またアルツハイマー病に比べるとレビー小体型認知症患者は有意に転倒し易い。レビー小体型認知症の易転倒性は診断の一助としての有用性のみならず、大腿骨骨折や脊椎圧迫骨折を生じて寝たきりになり易い、という危険があるため家族指導及びケア・マネジメントにおいても極めて重要な特徴である。
 パーキンソニズムはレビー小体型認知症に必須ではなく、ほとんどみられない場合もある。レビー小体型認知症のパーキンソニズムはパーキンソン病に比べると筋強剛と寡動、歩行障害が主体で[[振戦]]は少なく、左右差も少ない。またアルツハイマー病に比べるとレビー小体型認知症患者は有意に転倒し易い。レビー小体型認知症の易転倒性は診断の一助としての有用性のみならず、大腿骨骨折や脊椎圧迫骨折を生じて寝たきりになり易い、という危険があるため家族指導及びケア・マネジメントにおいても極めて重要な特徴である。