「症状評価尺度」の版間の差分

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===信頼性===
===信頼性===
 同じ評価尺度を同じ対象に用いても、さまざまな要因により評価にばらつきのみられることがあることから、評価尺度が開発された時には信頼性が十分であるかの確認が行われる。信頼性の確認とは当該評価尺度を用いて行われた評価の結果が、同席面接など同じ状況において評価者によってばらつくことがないか(評価者間信頼性 inter-rater reliability)や、一定期間をおいて同じ評価者が同じ状況で評価しても評価でばらつくことがないか(試験-再試験信頼性 [[test]]-retest reliability)などが行われる。これらの一致率が低い場合には、問題点を探る必要がある。
 同じ評価尺度を同じ対象に用いても、さまざまな要因により評価にばらつきのみられることがあることから、評価尺度が開発された時には信頼性が十分であるかの確認が行われる。信頼性の確認とは当該評価尺度を用いて行われた評価の結果が、同席面接など同じ状況において評価者によってばらつくことがないか(評価者間信頼性 inter-rater reliability)や、一定期間をおいて同じ評価者が同じ状況で評価しても評価でばらつくことがないか(試験-再試験信頼性 [[test]]-retest reliability)などが行われる。これらの一致率が低い場合には、問題点を探る必要がある。
(編集コメント:小見出しを付けた関係で、文章の順序が前後を変えております)
 
====被験者側の要因====
====被験者側の要因====
 信頼性を低下させる要因としては、被験者側の要因によるものとして、
 信頼性を低下させる要因としては、被験者側の要因によるものとして、
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 実際に臨床や研究の現場で使用されている評価尺度の例として、ここでは精神医学領域の代表的な評価尺度を取り上げて紹介する。
 実際に臨床や研究の現場で使用されている評価尺度の例として、ここでは精神医学領域の代表的な評価尺度を取り上げて紹介する。
(編集コメント:表にしました。年と著者で示された文献はこちらで探せるものは探しましたが、いくつか判らないものがありますのでご教示頂ければ幸いです)
(編集コメント:表にしました。年と著者で示された文献はこちらで探せるものは探しましたが、いくつか判らないものがありますのでご教示頂ければ幸いです)
===統合失調症の評価尺度===
===統合失調症の評価尺度===
 [[統合失調症]]の重症度を評価する尺度としては、簡便で包括的な精神症状を評価する目的でOverallと Gorham (1962)が開発した18項目版の[[簡易精神症状評価尺度]](Brief Psychiatric Rating Scale; BPRS)や、統合失調症の精神状態を全般的に把握する目的で、Kayら(1991)が開発した30項目からなる[[陽性・陰性症状評価尺度]](Positive and Negative Syndrome Scale; PANSS)などがある。また、統合失調症の生活の質を評価する目的でCarpenterら(1984)が開発した[[クオリティ・オブ・ライフ尺度]](Quality of Life Scale; QLS)、統合失調症の[[認知機能]]を測定する目的でKeefeら (2004)が開発した[[統合失調症認知機能簡易評価尺度]](Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia; BACS)や米国の精神科医や心理学者等の専門家のコンセンサスに基づいて開発された[[MATRICS Consensus Cognitive Battery]] (MCCB) 、このほか、[[抗精神病薬]]の副作用として発現する薬原性[[錐体外路症状]]の重症度を評価する目的で稲田(1996)が開発した9項目からなる[[薬原性錐体外路症状評価尺度]](Drug Induced Extra-Pyramidal Symptoms Scale; DIEPSS)などがある。
 [[統合失調症]]の重症度を評価する尺度としては、簡便で包括的な精神症状を評価する目的でOverallと Gorham (1962)が開発した18項目版の[[簡易精神症状評価尺度]](Brief Psychiatric Rating Scale; BPRS)や、統合失調症の精神状態を全般的に把握する目的で、Kayら(1991)が開発した30項目からなる[[陽性・陰性症状評価尺度]](Positive and Negative Syndrome Scale; PANSS)などがある。また、統合失調症の生活の質を評価する目的でCarpenterら(1984)が開発した[[クオリティ・オブ・ライフ尺度]](Quality of Life Scale; QLS)、統合失調症の[[認知機能]]を測定する目的でKeefeら (2004)が開発した[[統合失調症認知機能簡易評価尺度]](Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia; BACS)や米国の精神科医や心理学者等の専門家のコンセンサスに基づいて開発された[[MATRICS Consensus Cognitive Battery]] (MCCB) 、このほか、[[抗精神病薬]]の副作用として発現する薬原性[[錐体外路症状]]の重症度を評価する目的で稲田(1996)が開発した9項目からなる[[薬原性錐体外路症状評価尺度]](Drug Induced Extra-Pyramidal Symptoms Scale; DIEPSS)などがある。