「皮質板」の版間の差分

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=== Pou3f2/3  ===
=== Pou3f2/3  ===


 第II-V層の投射神経細胞には発現するPou3f2 (Brn2)およびPou3f3 (Brn1)のダブル・ノックアウト(DKO)マウスでは、第VI層の細胞は正常にサブプレートを越えて皮質板に達するものの、第II-V層の神経細胞はサブプレートを越えられない<ref name=McEvilly/><pubmed>11859196</pubmed></ref><ref name=Sugitani/><pubmed>12130536</pubmed></ref>。Pou3f2/3の下流で細胞移動を制御するシグナルに関与すると考えられている経路としては、CDK5とIL12Aのシグナル経路とReelinとDab1の経路がある。DKOマウスの表現型はCDK5シグナルを阻害した場合の異常とよく似ており<ref><pubmed>9698328</pubmed></ref><ref><pubmed>11517264</pubmed></ref>、またPOU3F2はIl12aおよびcdk5r2両遺伝子のプロモータ領域に直接結合することが示されている<ref name=McEvilly/>。DKOマウスにおいて、Dab1の発現はE15.5以降に減少することがわかっており、上層の神経細胞の移動に異常があることと良く一致している<ref name=Sugitani/>。  
 第II-V層の投射神経細胞には発現するPou3f2 (Brn2)およびPou3f3 (Brn1)のダブル・ノックアウト(DKO)マウスでは、第VI層の細胞は正常にサブプレートを越えて皮質板に達するものの、第II-V層の神経細胞はサブプレートを越えられない<ref name=McEvilly><pubmed>11859196</pubmed></ref><ref name=Sugitani><pubmed>12130536</pubmed></ref>。Pou3f2/3の下流で細胞移動を制御するシグナルに関与すると考えられている経路としては、CDK5とIL12Aのシグナル経路とReelinとDab1の経路がある。DKOマウスの表現型はCDK5シグナルを阻害した場合の異常とよく似ており<ref><pubmed>9698328</pubmed></ref><ref><pubmed>11517264</pubmed></ref>、またPOU3F2はIl12aおよびcdk5r2両遺伝子のプロモータ領域に直接結合することが示されている<ref name=McEvilly/>。DKOマウスにおいて、Dab1の発現はE15.5以降に減少することがわかっており、上層の神経細胞の移動に異常があることと良く一致している<ref name=Sugitani/>。  


== GABA作動性神経細胞  ==
== GABA作動性神経細胞  ==
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