「知覚」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/h-ishida 石田 裕昭]</font><br>
''京都大学 数理解析研究所''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年6月6日 原稿完成日:2013年4月1日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構 生理学研究所 大脳皮質機能研究系)<br>
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英語名:perception  
英語名:perception  


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 ものの表面性状、固さ、温度を感じる。形状や色、動きを見分ける。食物を味わう。音を聴く。さまざまな要素から成り立つ環境からの物理化学情報を私たちは感覚として知覚(自覚)している。[[皮膚感覚]]、[[視覚]]、[[聴覚]]、[[嗅覚]]、[[味覚]]の一般的に五感と呼ばれている感覚に対応する神経系の機能区分は、解剖学・生理学的に解明されてきた。末梢の感覚受容器に入力された物理的・化学的刺激は、感覚中継核を経て、[[大脳皮質]][[一次感覚野]]([[視覚野]]、[[体性感覚野]]、[[聴覚野]]、[[嗅覚野]]、[[味覚野]])へ到達する。一次感覚野以降は、感覚情報が順次統合され([[異種感覚統合]])、高次の情報に変換される。これらは、特定の感覚情報に依拠しない空間や[[言語]]などの概念情報処理や、[[情動]]や[[記憶]]情報の[[符号化]]、それらの結果に基づいた[[意思決定]]および行動出力の形成に関わる。
 ものの表面性状、固さ、温度を感じる。形状や色、動きを見分ける。食物を味わう。音を聴く。さまざまな要素から成り立つ環境からの物理化学情報を私たちは感覚として知覚(自覚)している。[[皮膚感覚]]、[[視覚]]、[[聴覚]]、[[嗅覚]]、[[味覚]]の一般的に五感と呼ばれている感覚に対応する神経系の機能区分は、解剖学・生理学的に解明されてきた。末梢の感覚受容器に入力された物理的・化学的刺激は、感覚中継核を経て、[[大脳皮質]][[一次感覚野]]([[視覚野]]、[[体性感覚野]]、[[聴覚野]]、[[嗅覚野]]、[[味覚野]])へ到達する。一次感覚野以降は、感覚情報が順次統合され([[異種感覚統合]])、高次の情報に変換される。これらは、特定の感覚情報に依拠しない空間や[[言語]]などの概念情報処理や、[[情動]]や[[記憶]]情報の[[符号化]]、それらの結果に基づいた[[意思決定]]および行動出力の形成に関わる。
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== 知覚とは  ==
== 知覚とは  ==
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== 参考文献  ==
== 参考文献  ==
<references/>
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(執筆者:石田裕昭 担当編集委員:定藤規弘)