神経筋接合部

提供:脳科学辞典
2012年3月22日 (木) 10:10時点におけるTakakomorimoto (トーク | 投稿記録)による版

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Neuromuscular junction (NMJ) 運動神経終末と筋肉組織の接着部。シナプスが形成され、筋収縮を引き起こす神経伝達が行われる。脊椎動物の神経筋接合部では、神経終末からアセチルコリンが放出され、筋肉細胞に存在する受容体に受け取られる。これにより、筋肉細胞に脱分極が引き起こされ、その脱分極が筋繊維全体に広がり、筋収縮が引き起こされる。

=構造=

図はカエルの神経筋接合部を模式的に示したものである。筋肉細胞膜にはシナプスクレフトと呼ばれるヒダのような構造があり、その内部には基底膜と呼ばれる細胞外マトリックスが存在している。コラーゲンIV、ラミニン、アセチルコリンエステラーゼ、ヘパリン硫酸プロテオグリカンなどが主な成分である。後シナプス側である筋肉細胞の部位は特に、神経終板と呼ばれている。前シナプス側である神経終末には、神経伝達物質、アセチルコリンを含んだシナプス小胞が多数存在し、特に、シナプス小胞が集まっている場所をアクティブゾーンと呼ぶ。アクティブゾーン近傍には、でん依存性カルシウムチャンネルが存在し、速やかな伝達物質放出が可能になっている。小胞にはこれ以外に、電子密度の高い部分を持つ有芯小胞もある。ひだの後シナプス側には、伝達物質を受け取るための伝達物質受容体が集合しており、1平方μmあたり、約1万個にも達する。接合部から離れた部位では1平方μmあたり10個程度であることから、その集合度合いは驚異的である。